おかげさまで本ワークショップは盛会のうちに終了いたしました。ご講演いだだきました講師の先生方,ご来場の皆様方および開催にご協力いただきました関係各位に厚く御礼申し上げます。
制御工学分野では、「モデルベースト制御」という言葉の定着とともに、動的モデルに基づく制御系設計は制御技術者の共通認識となった。また、制御工学分野以外に目を向けても、「モデルベースト〜」という言葉が近年多く見受けられるようになった。このような現状において、良いモデルを構築するための学問・技術の重要性が高まっており、モデリング・システム同定への注目が集まっている。また、モデリング・システム同定の発展に伴い、システムの異常や故障の検出・診断手法としてモデルに基づく変化検出法がますます注目を浴びている。本ワークショップでは、モデリング・システム同定および変化検出に関する現状と未来について研究動向を学ぶために、関連分野の著名な先生方を講師にお迎えしてご講演いただく。
主催
大阪工業大学 工学部 電子情報通信工学科 システム制御研究室
協力
日時・場所
平成21年3月16日(月) 12:30-17:20
大阪工業大学大宮キャンパス1号館2階121教室(大阪市旭区大宮5丁目16番1号)
(アクセス方法はこちらをご覧下さい。)
定員・参加費
定員150名
(定員超過の際はご来場をお断りすることがございます。どうぞご了承ください。)
聴講参加費無料
(要事前申込。お申込みはこちらの申込みフォームをご利用ください。
)
申込締切日
2009年3月7日(土)(お早めにお申込みください。)
招待講演者
木村 英紀 博士 | 理化学研究所 理研BSI−トヨタ連携センター センター長,東京大学名誉教授,大阪大学名誉教授 |
片山 徹 教授 | 同志社大学教授,京都大学名誉教授 |
大住 晃 教授 | 宮崎大学教授,京都工芸繊維大学名誉教授 |
Prof.dr.ir. Michel Verhaegen | Delft University of Technology |
スケジュール(確定版)
12:30〜12:35 | 開会挨拶 |
12:35〜13:35 | 木村 英紀 博士 |
13:45〜14:45 | 片山 徹 教授 |
14:45〜15:05 | 休 憩 |
15:05〜16:05 | 大住 晃 教授 |
16:15〜17:15 | Prof.dr.ir. Michel Verhaegen |
17:15〜17:20 | 閉会挨拶 |
講演概要
木村 英紀 博士
「モデルとモデリングについて:モデルは役に立つか?」
登壇者はこれまで40年以上にわたり制御理論・システム理論の研究に携わってきた。とくに、モデリングに関して、「多モデル理論のための制御モデルの収集と整理に関する研究」(平成8年度科研費補助金)、モデル研究会活動(1996〜1998年)、シンポジウム「モデルとモデリングの新しい方法論を求めて」(1999年)の開催などの研究活動を通して、制御におけるモデリングの重要性について啓蒙を行ってきた。最近は、理化学研究所を拠点にして生物制御の研究に従事しており、人工物の制御とは異なる視点からモデリングについて考究する機会を得た。本講演では、講演者のこれまでの経験談を話させて頂き、現在におけるモデリングの問題点を洗ってみる。
片山 徹 教授
「部分空間法によるフィードバック系の同定」
著者らの提案した ORT法を利用した2つの閉ループ系の同定法について述べる. 最初に外部テスト入力が利用できる場合について, 2段階ORT法を提案する。また、この方法は, Van den Hof and Schrama (1993)の2段階同定解法を多変数系に拡張したものであることがその導出の過程で示される. ついで, 外部テスト信号が利用できない場合について, 測定可能な外乱を利用した同定法を述べる. 基本的な考え方は, ORT 法を利用して閉ループシステムを確定サブシステムと確率サブシステムに分解して, それぞれのシステムの実現を導き, さらに2つの実現を再結合してプラントの実現を導く方法を与える. また, この結果を利用した部分空間法を述べる. 最後に2−3の数値例を示す.
大住 晃 教授
「システム同定への擬似観測量を用いたアプローチとその異常検知への応用(An Approach to System Identification via Pseudomeasurement and its Application to Change Detection)」
動的システムがその数学モデルに未知パラメータを含んだり, あるいは未知の外性入力を受ける場合, システムの状態量を観測して得られる観測データから未知パラメータを同定する必要にせまられる. そのような場合, 従来の方法では未知パラメータを状態量とみなして拡大システムを構成し, 例えばカルマンフィルタによって推定 (同定) することが行われる. しかし, この方法では十分な同定精度は得られない. それは未知パラメータが直接的には観測されないからである. つまり, 拡大システムは必ずしも可観測にならないからである.
本講演では, 観測データを加工することによってあたかも未知パラメータ自体が観測されているかのような状況をつくり出し, それを本来の観測データに付加した拡大システムに対してカルマンフィルタを構成して未知パラメータの同定を行う新たなアプローチについて述べる. このようにして生成された未知パラメータに関する情報を擬似観測量 (pseudomeasurement) と呼ぶ. このアプローチそのものは他のシステム同定法に比べて非常に簡単で, しかもよい同定精度が得られることを未知外性入力の大きさとその印加される時刻の同定のシミュレーション例を用いて示す.
Prof. Michel Verhaegen
「Data Driven Monitoring and Control」
After a brief presentation of the Delft Center for Systems and Control the presentation focuses on the problem of getting a mathematical model from data when (first) assuming the model belongs to the class of linear time invariant systems. Here the basics of Subspace Identification are discussed. The reliability of these methods calls for a profound review of fault detection methods and model based controller design. Such a review highlights that the key steps in subspace identification form the basis for the development of innovative solutions for fault detection and isolation filters as well as controller updating/reconfiguration methods. A number of these new contributions will be highlighted and illustrated in various application studies.
(本講演は英語による講演となります。)
お問い合わせ
ワークショップに関するお問い合わせは下記までよろしくお願いいたします。大阪工業大学 | 奥 宏史 | ![]() |
大阪工業大学 | 牛田 俊 | ![]() |
京都大学 | 田中 秀幸 | ![]() |