ここでは,わが国の橋の現状と当研究室で取り組んでいるテーマについて紹介していきます. 橋は,耐久性や公共性という性格上,長く地図に残るものです.そんなロマンのある雰囲気とインフラ(社会基盤)をかたちづくる従来の土木工学の知識・技術を結集した構造物です(橋の建設=まちづくり!).橋を構造形式で分類すると,下の写真に示すように6種類に分類されます. 現在のわが国において,橋長2m以上の道路橋は約73万橋あります.この数だけを見れば,『これ以上,新しい橋は必要無いのでは?』と思ってしまうかもしれません.しかし,1) 都市部の慢性的な渋滞の緩和,2) 増加傾向にある自然災害時の道路機能強化などの役目を果たすために,引き続き,新たな橋を架ける必要性があります(まだまだ不足しています).その際,昔から言われている“用・強・美”以外に,最近では,維持管理の確実性及び容易さ,環境との調和,経済性(ライフサイクルコスト=建設費に点検管理や補修などの維持管理費を含めた費用が小さくなる)なども考慮する必要があります.また,設計の考え方も移行期を迎えています.そこで,当研究室では,建設頻度の高い桁橋を対象に,例えば,このような研究を企業と共同で行っています. 一方,すでに架けられている73万橋の内,建設50年以上経過する割合が増加,つまり,老朽化が問題となってきています(人間も,歳をとると,足腰が痛くなるなど疲れが出てきます).単純に考えれば,老朽化=架け替えを行ってしまえば良いとの結論に至りそうですが,皆様の大切な税金でインフラを整備していますので,少しでも長い時間,利用する必要があります.そこで,限られた費用と時間で橋の長寿命化を図るために必要な研究を行っています(橋のお医者さん). また,本学独自の取り組みとして,橋梁火災に関する研究を行っています.これは,近年,橋梁の直下で火災が起きる事例が増えており,鎮火後,すぐに,車や列車を通して良いか,悪いかの判断を道路や鉄道を管理している会社は迫られます.しかし,その指標が確立されていないため(橋梁火災=想定外の事象),当研究室では,実験や解析を通して,診断法を構築するための研究を行っています. これらの研究の内,実験は,本学が保有する西日本最大規模の八幡工学実験場・構造実験センターにて行っています. |
構造形式による分類
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