水素と二酸化炭素を反応させて作るメタンを「合成メタン」といいます。今、世界中でこの合成メタンが次世代ガス燃料として注目されています。
2050年カーボンニュートラルに向けて、太陽光や風力などの再生可能エネルギーの導入と再エネ電力から作る水素を使うインフラの整備が進んでいることは皆さんご存知のとおりです。また、発電所などから発生する二酸化炭素を回収して貯留する「CCS(炭素回収・貯留)」という言葉も徐々に認知されつつあります。一つの通過点である2030年に向けて、これらはますます身近な存在になります。
しかし問題点があって、水素は扱いにくいので都市ガスのような普及は難しいことがあります。CCUSも炭素を貯めこむだけではいずれ置き場がなくなります。合成メタンは、こうした水素と二酸化炭素の活用先を見出す手段として有効であり、生成するメタンは二酸化炭素の増加につながらないカーボンフリーな燃料として扱うことができます。政府は2030年にはガスの1%、2050年は90%を合成メタンに置き換える計画を立てています(「2050年カーボンニュートラルに伴うグリーン成長戦略」(2021年))。
日本では「合成」というイメージが良くないからでしょうか、ガス協会は「e-メタン」の名称で呼びかけています。
環境バイオリソースセンターでは、微生物を使ってe-メタンを作る技術「バイオメタネーション」に取り組んでいます。詳細は下記をご覧ください。
[環境分野のバイオメタネーション技術]
https://www.oit.ac.jp/env/cardamom/~biocycle//RCEB/index.html
[環境バイオリソースセンター]
https://www.oit.ac.jp/env/lab.php?id=15