卒業研究テーマ
メタコミュニケーション機能を持つエージェントの開発
概要
近年，ソフトウェアエージェントは，一般ユーザに普及し始めてきた． 普及に伴い人とエージェント間のインタラクションデザインの研究や開発の分野であるヒューマンエージェントインタラクションHAI（Human-Agent Interaction）が広がりを見せている． HAIが扱うエージェントには，「自律エージェント」，「マルチエージェント」，「インタフェースエージェント」，「会話エージェント」など様々な種類がある． 本研究では，対面での人とインタラクションを行う「会話エージェント」を扱う． 会話エージェントとは，人同士の対面での会話を人とコンピュータのインタラクションに取り入れたシステムである． 人同士の対面会話を模倣するために，会話エージェントは「バーバルコミュニケーション」と「ノンバーバルコミュニケーション」を行う必要がある．バーバルコミュニケーションは，音声を用いたコミュニケーションであり，ノンバーバルコミュニケーションは音声によらないジェスチャなど身体を用いたコミュニケーションである． またノンバーバルコミュニケーションには，人同士の対面コミュニケーションにおいてコミュニケーションを円滑に行うためにコミュニケーションの内容の規定や進行を調整するといった重要な機能である「メタコミュニケーション」がある． しかし現在のエージェントに関する研究は，エージェントの音声に合わせたジェスチャの自動生成といったものが中心課題となっており，双方向的なインタラクションの研究はあまり行われていない． そこで本研究では，双方向インタラクションのためにメタコミュニケーションに重点を置き，会話の間に「うなずき」を行う会話エージェントの開発を行った．本エージェントは，ユーザ位置を追跡する「トラッキングフェイズ」，エージェントと対話を行う「対話フェイズ」に分けられる．トラッキングフェイズの目的は，ユーザとエージェントが会話の開始を行うためである．対話フェイズの目的は，ユーザの発話終了にうなずくことによりコミュニケーション維持を行うためである．また本エージェントに実装したモデルの有効性，システムの有用性を確認するために，うなずきの有無やタイミングの異なる動作を行うエージェントを用意しインタラクション評価を行う．
関連資料
プロフィール
学生番号 ： C05-122
名前 ： 山崎 敏文
一言
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