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1Q84 book1~book3
都市デザイン工学科田中 一成 先生推薦
君に薦める一冊の本の原稿依頼が来たとき、めんどうな原稿を書くのが億劫で、学生も誰も読みたくない?本しか思い浮かばないけれどそれでもいいかという話をしました。あたりまえですが担当の方は慣れているだけあって(メールのやりとりだけで原稿の文字数になる頃)誰も読みたくなくなったエピソードも面白そうなのでそこも含めて書いてほしいと、まんまとのせられました。
研究室に立ち寄る学生、院生たちが、ちょっとだけと言って借りていく本はたくさんあります。読んでみろよといって数ページ読んでもらうバシュラールやハイデガーやミンコフスキーだったり、専門書の人間の空間やフーリエ解析やSPSSの解説だったり、大学図書館から薦めるような素敵な本はたくさんあるような気がします。
この依頼を受けてから、申し訳ないことですが18年目になって初めてきちんと「ぱぴろにくす」を読みました。多くの先生が図書の紹介だけでなく、体験談やアドバイスなど面白いお話をいろいろな企画の中でされていました。懐かしい先生もいました。
おそらく、この自分の文章は多くの学生、院生も教職員も読まないかもしれません。一緒にしないでほしいという方には誠に申し訳ありません。そう考えると、やはり好きなことを勝手に書こうかなと原稿〆切間際になって思いなおしました。思いなおしたとはいっても、まだ一文字も書いていませんでしたが。
この原稿依頼を最初に聞いて、真っ先に思いついた本を結局、薦める本にしようと思います。この作者も本も、知らない人はいないと思います。
薦める一冊の本(ほんとうは三冊、文庫本は6冊)ですが、かならず読む必要はないと思っています。きっとわかって頂けると思いますが、読みはじめてみて途中でやめてもいいし、何度も同じところを読んでも、10年後に読むことにしてもいいと思います。
なぜ言うとおりにばかりしなければならないのか考えつつある人(言われたとおりに考えなさい、言われたとおりに計算しなさいと)、あるいは、工学には実は決まった答えはありません、これから皆さんが探すのです、と言われてさてどうやってと思った人に見てほしいと思います。
例えばですが、問題1が満点なら理系、問題3が満点だったなら文系、そのあとで問題7が満点なら工学分野と言われて進学してきた人、大学に来てからほんとうにそうだったのか疑問に思った人に。正しい本の読み方も受験の問題文の読み方も知っていて、将来はやりたいことができる会社に就職(やりたいことは選択制)と考えてきて、でも疑問を持ってはいけないのかと一瞬考えたことがある人に。偉そうなことは言えませんが、ジタバタするしかたを悩むことができる本かと思います。
それと、物語中の交通量や橋脚の構造や非常階段や配電盤の位置などを考えてしまうわれわれの分野…以外の分野の学生、院生の皆さんが、どのように読むかという興味も少しだけあります。
請求記号・資料ID
- 大宮本館
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booK1前編:913.6||M||1-1 91171015
booK1後編:913.6||M||1-2 91171016
booK2前編:913.6||M||2-1 91171017
booK2後編:913.6||M||2-2 91171018
booK3前編:913.6||M||3-1 91171019
booK3後編:913.6||M||3-2 91171020 - 梅田分館
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book1:913.6||M||1 97220159
book2:913.6||M||2 97220160
book3:913.6||M||3 97220161 - 枚方分館
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book1:913.6||M||1 98090165
book2:913.6||M||2 98090166
book3:913.6||M||3 98100057