
INTENSIFIED SEDIMENT DISASTERS IN JAPAN -THE 2011 KII PENINSULA TORRENTIAL RAIN DISASTERS
工学部 都市デザイン工学科日置 和昭 先生推薦
私が過去に読み込んだ本は、専門書と漫画を除けば数冊しかありませんが、小学生のときに読み込んだ山岡荘八の『織田信長』(株式会社講談社)は印象深いです。私は小学生の頃から信長マニアで、これまでに単行本やテレビドラマ、さらに映画などで様々な信長に出会ってきましたが、私の理想の信長像は山岡荘八によって描かれた信長です。本書は、全五巻(無門三略の巻、桶狭間の巻、侵略怒涛の巻、天下布武の巻、本能寺の巻)から成り、信長と秀吉、そして濃姫の関係性が心地よく描かれています。特に濃姫はとても小賢しく描かれており、私は濃姫に恋心を抱いたのをよく憶えています。そのため、10代の頃は理想の女性像を問われると“濃姫”と即答し、“濃姫のような女性と結婚するんだ”と友人たちに宣言していたほどです。しかし、それから40年ほど経ちましたが、濃姫のような女性は私の目の前には現れず、未だに独身を貫いています(笑)。
冗談はさておき、私が今回『君に薦める一冊の本』は、深川良一(立命館大学名誉教授)編集の『INTENSIFIED SEDIMENT DISASTERS IN JAPAN -THE 2011 KII PENINSULA TORRENTIAL RAIN DISASTERS』(CRC Press)です。2011年、台風12号の記録的な豪雨により、紀伊半島の広域に甚大な土砂災害・水害がもたらされました(紀伊半島大水害)。その後、(公社)地盤工学会関西支部、(一社)日本応用地質学会、関西地質調査業協会、中部地質調査業協会の4学協会により、『「想定外」豪雨による地盤災害への対応を考える調査研究委員会』が設置され、被害実態の把握、災害メカニズムの解明、避難・防災対策の提案などを目指して活発な調査研究活動が展開されました。本書は、同委員会の活動成果を纏めたもので、私は8章『Disaster-Prevention and Mitigation Measures Following the Kii Peninsula Disaster』を執筆しました。本章では、紀伊半島大水害を契機に行われるようになった、主にソフトウェア対策を中心とした防災・減災の取り組み事例(地方自治体や道路・鉄道事業者の取り組み事例)について纏めましたが、この中で私は図々しくも奈良県十津川村と大阪工業大学が連携協定を締結し、私の研究室(地盤防災研究室)が中心となって「豪雨時深層崩壊危険度の監視活動」に取り組んでいることを紹介しています。
近年、世界各地で豪雨を起因とする大規模な土砂災害・河川災害が発生しており、自然災害外力が増大していることを実感させられます。本書を通じて、同委員会の活動成果が世界中で共有され、防災・減災力の体系的かつ相乗的な向上につながることを期待しています。
請求記号・資料ID
- 大宮本館
- 369.3||F 12400114
- 梅田分館
- 369.3||F 72400017
- 枚方分館
- 369.3||F 82400061