E500系機種のメモリ増設改造
PC-E500 系ポケコンの簡単なメモリ増設改造について解説します。
『簡単な』改造とはSRAMの 62256 という32KBの石を
628128という128KBのものに置き換える改造で、32KB機は128KBに、
64KB機は256KBになります。ぼく自身が手掛けたことが
あるのは E500,E550,E650,U6000 くらいだったと思いますが何せ
昔のことで良く覚えていません。ここでは一番最近(H10年9月)に
すごく久々に行った PC-U6000 の改造を例として取り上げます。
用意するもの
- SOPの628128もしくは相当品
速度は遅くていいです。
32KB機なら1つ、64KB機なら2つ(1つでもいいけどその場合は
128KBになります。)用意しましょう。ちなみに平成10年9月現在
秋葉原で一個800円しました。
- できるだけ細い精密ドライバ(-)
62256を外すのに使います。1mmかそれ以下くらいのものがいいです。
- はんだづけができる用意
- ラッピングワイヤなどの導線・テスタ・その他工具
- 『活研』などの回路図
やっぱりあった方がいいです、絶対。
- 十分な時間と体力・精神力
途中でやめて翌日に持ち越すよりは一気にやった方がいいと
思います。256KB化するとなると余裕を持って5時間くらい
みといた方がいいかな。
まずは、開ける
開けるのはけっこう難しいです。ドライバなどでこじあけるのですが、
丁寧にやらないときずがついてしまいます。U6000の場合電池を外した
辺りからはじめるのがいいかと思います。
基板
右下に二つある石が32KBのSRAM、62256です。その左がROM、
さらに左が CPU の SC62015 です。上にあるのは液晶ドライバ。
石を、はずす。足を、浮かす
この工程は重要です。難しいです。慎重にやりましょう。
62256を取り外します。やり方は人それぞれの流儀があると思いますが、
ぼくは足の半田づけを一つ一つ外して行きます。細いマイナス精密ドライバを
足の下に入れて、コテで温めて、トライバをひねってはずします。
ここでうっかりリキんで基板のパタンをはがさないよう、くれぐれも
注意しましょう。
これ
を、
こう
します。
次に、
アドレスデコーダ
の足を一本浮かせます。写真中央の
3W01F
と書いてある8本足の石が、
アドレスデコードをしています。この石の1番ピン(一番左下の足)の
半田づけを外して浮かせます。小さいのでけっこう辛いところです。
そして、乗せる
今度は、今とった石のパタンの上に628128を乗せます。
628128は62256より4本多足ですが、このページの写真の向きで
一番下を揃えます。余った4本は横に伸ばしておきます。
ようするに、
こういうことです。
注意事項
- 628128 は 62256 より太っちょなので、
買ってきたままではもとのパタンからはみ出てしまいます。
そこで足をマイナスドライバなどで『内マタ』にしてあげて下さい。
(わかりますよね?)
- 半田はできるだけ62256をはずしたときに基板上に残ったものを
使いましょう。628128にはんだめっきなどせず、そのまま
乗せて、温める、です。
どうしてもうまくつかないときだけ追加した方が
楽だし、きれいです。
- 配線に進む前にテスタで導通確認しましょう。二つ並んだ
628128の同じピン同士を触ってみて、1,2,22,31,32 番ピン
以外が互いに導通していればおっけーです。
いよいよ、配線
配線をします。今までの工程がうまいこといっていれば、以下に説明する
配線だけでいいのですが、パタンを剥してしまったりした場合は
ここで復活できます。石の足が折れてしまった場合は
ThinkPad220のハイテク修理
でも参考にしてみて下さい。
これが配線完了之図です。
- 浮かせたアドレスデコーダの足を左側のROMの
30番ピン(a17)に繋げます。
- 浮かせたアドレスデコーダの足がもともと乗っていた
基板のパタン(a15)に両方の628128の31番ピンを繋げます。
- 両方の628128の2番ピンをROMの2番ピン(a16)に繋げます。
- 各628128の32番ピン(VDD)をそれぞれ30番ピンと短絡します。
そして、256KBへ…
お疲れ様でした。
まんまと256KBになっているといいですね。
ポケコン窓口
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