ハンドル型ジョイスティック改造メモ
Last update: <2008/05/30 10:28:15 +0900>
- 対象機器
Logitech(Logicool)LPRC-11000
- 改造内容
ハンドルの曲げ角を計測するため,センサ信号を取り出すか,ポテンショメータを取り付ける.筐体は図1の通りである.
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図1.筐体
- 分解
底面にあるネジを8箇所緩めてはずす(図2).
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図2.ネジの位置
上のカバーを持ち上げると簡単に外すことができる(図3).カバーについてくるシフトレバーは放っておいても構わないがグリスが周囲につかないよう気をつける.
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図3.内部の様子
写真に向かって右側に見えるのはモータである.このシャフトには光学式のエンコーダが取り付けられており(図4),端子が露出しているので,エンコーダ信号を取り出すことはきわめて容易である.しかし,エンコーダ信号を処理するためには,専用のハードウエアが必要となり,今回の改造には不適切である.
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図4.モータとエンコーダ(右側)
意味ありげな箇所から出ている信号線.端子数も3と,ポテンショメータを期待させた...しかし調査の結果,この信号はハンドルが水平であることを検出するだけのものだった.
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図5.意味ありげな信号線(中央)
さらに分解を進めるべく,中央の金具を取り外す(図6,図7).合計でネジを4箇所外せば外れる.
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図6.中央の金具を外す(上部)
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図7.中央の金具を外す(下部)
あけては見たが,既存の装置からセンサ信号を流用することは難しいようである.
- 改造
無線ジョイスティックを分解したときに出てきた,小型のポテンショメータを取り付けることにした.このポテンショメータにはラックアンドピニオンギアがついており,水平方向の移動を検出することが容易である.
ラック側のギアの位置を決め,固定するための穴を開ける(図8).
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図8.筐体に穴をあけて,ラックを固定する
狙い通りの位置にラックを固定する.接着剤で固定したかったが,プラスティックや樹脂にはあまり接着能力に期待できないので,ネジの頭でぐらつかないように固定している(図9)
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図9.ラックギアのネジ止め
ポテンショメータを固定するための部品を製作する.CDケースより部品を切り出し,ポテンショメータの軸にあわせて穴を削り取る(図10).
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図10.ポテンショメータ固定用部品
ポテンショメータを瞬着で固定し,ネジ用の下穴をあけておく(図11).瞬着でもなかなかつかない.時間のあるときには,専用の接着剤を使用するのが無難である.
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図11.ポテンショメータを固定した状態
取り付けの前にケーブルを半田付けしておく(図12).ポテンショメータなので,GNDと電源の区別は必要ない.信号線を黄色,GNDと電源を黒としている.
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図12.ケーブルの接続
筐体側にネジ用の加工を施す(図13).この位置がずれるとラックとピニオンのギアがうまくかみ合わない.ここですべてが決まる.
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図13.筐体側の加工
取り付け後の様子は図14である.ポテンショ側がハンドル操作に連動して左右に動く仕掛けになる.
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図14.取り付け後(俯瞰)
図15は横から見たものである.
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図15.取り付け後(側面)
ケーブルは後ろから取り出すことにした.USBケーブルの脇に穴を開けてケーブルを出す(図16).
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図16.ケーブルの取り回し
装置のアソビのせいで,ラックアンドピニオンがうまくかみ合わない.そこで,図17に示す箇所の金具を下に曲げ,アソビを小さくする.今後,緩んできたら定期的に曲げておく必要があるだろう.摩擦が大きくなるので,グリスを塗布しておく.
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図17.アソビを小さくするための工夫
- 資料
USBコントローラ ST7262
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