大阪工業大学 情報科学部 宇宙物理研究室 2007年度 卒業研究
特殊相対性理論における回転
学科 情報システム学科
B02-014 氏名 伊藤 誠
2008/2/25 作成
概要 / 目次 /
概要
本研究では特殊相対性理論における見かけの光景の回転の可視化を行なった。モデルとして光速に近い速度で移動する電車に乗った観測者から見える光景と、また静止した観測者が光速に近い速度で動いている電車を見た時の光景を考え、それぞれ速度と共にどのように変化していくかを、Javaを使ったプログラムを作って視覚化した。回転現象とは,光速に近い速度で運動する物体を見たり、その物体から見る場合、ローレンツ短縮と光の到達時間の違いによって、静止している時の位置関係とずれることによって、あたかも回転しているように錯覚する現象である。見かけの回転角度θは、静止している観測者が速度Vで動く物体を見る時、β=V/c(cは光速)とすると、
となる。βが0.9以上で急激に変化する。つまり光速に限りなく近い速度で物体が動く時、その回転角度がしだいに大きくなっていく。
図1は観測者の目の前を電車が光速近くで横切る場合に、電車の見かけの回転を上から描いたものである。本来なら見えるはずのない電車を横切る運転手の顔が見えることがわかる。
逆に運転手が見る光景を描くと、静止している物体は、進行方向(前後方向)に短くつぶれて見える。図2-aは上から見たもの、図2-b/cは正面から見た光景を示す。速度を大きくした場合、物体の横側は観測者から見て、しだいに小さくなって見えることがわかる。速度を変化させることによって物体の各点が観測者に近づいていることがわかる。
将来の課題として、ドップラー効果や光行差を含めた可視化に発展させることができると考えられる。
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目次
- 序論
- 特殊相対性理論
- ガリレイ変換
- ローレンツ変換
- ローレンツ短縮
- 回転
- 回転の一般論
- モデル
- モデル1
- モデル2
- モデル3
- 結論
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