大阪工業大学 情報科学部 宇宙物理研究室 2010年度 卒業研究
「集客効果によるマーケティング戦略」
学籍番号B05-132 情報システム科 氏名 山下 真司
2011/2/20 作成
概要 / 目次 / 卒業論文/
概要
微分方程式を用いて、広告及びサービス・イベント等の集客効果を数理的手法で解析し、「顧客獲得のための最適解はどのようなものなのか」を考察した。本研究では、具体的なモデルとしてパチンコ店の経営戦略を考えた。
基本的なモデル化として、訪れる客層を新規顧客と既存顧客とに分け、それぞれの客層において集客モデルを仮定し、それぞれの顧客数の動向を分析した。広告及びサービスがない場合、顧客数が指数関数的にある一定値へ減少してゆくことと、集客効果と売上との関係が逓減型になるモデルを与え、広告・新台入替に要する必要経費も含めて、売上の最適解を求めた。新規顧客数Naと固定顧客数Nbの微分方程式を次の通りとした。ここでa(t)は新聞折込広告による集客効果、b(t)は新台入替による集客効果である。
図1及び図2は、それぞれの集客効果の頻度による顧客数の変化を表したグラフである。 ![]()
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図より、元々の(t=0時点での)新規顧客及び固定顧客数を維持するためには10日に1度、新聞折込広告を出す必要があり、15日毎に新台入替をする必要があると考えられる。
図1:新規顧客数の増減グラフ 図2:固定顧客数の増減グラフ 図3:固定顧客による売上グラフ
また、図3は、新台入替期間毎の四半期の売上及び粗利益を表したグラフで、これより新台入替を月に1度行うよりも、全く入替しないときのほうが利益が高いことがわかる。
さらに、競合店を考慮したときの売上の変化についても考察した。顧客数の差により不利な立場にある店舗であっても、優位な店舗より1.5倍の広告等を行えば、9ヵ月後には高い売上を得られることがわかった。
目次
- 序論
1.1 目的
1.2 概要
1.3 構成
- パチンコ店経営モデル
2.1 パチンコ店について
2.2 モデルの設定
- 集客モデル
3.1 新規顧客集客モデル
3.2 固定顧客集客モデル
3.3 総顧客数の変化
- 1店舗における集客効果最適解
4.1 客層別客単価
4.2 売上及び利益について
- 競合店モデル
- まとめ
- プログラム
卒業論文
卒業論文 [pdf]
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