大阪工業大学 情報科学部 宇宙物理・数理科学研究室 2013年度 卒業研究
ペンローズタイリングを学べるパズルの製作
情報メディア学科 大串美沙
2014/3/4 作成
卒業内容 / 目次 /
研究内容
本研究では、ペンローズタイリングの規則性、法則性を視覚的、感覚的に理解できるようなアプリケーションツールをパズルの要素を取り入れて製作した。タイリングとは同じ形のタイル同士が隙間なく敷き詰められていくパズルのようなものである。
このタイリングには2種類あり、1つは周期的タイリング(エッシャータイリング)、もう1つが本研究で扱う非周期的タイリング(ペンローズタイリング)である。
非周期タイリングは平行移動してもタイリングできない性質を持つが、五回対称という条件(72°回転対称)の下でタイリングが可能となることが知られている。
そしてタイルの種類は、最も少ないもので2種類用意すれば良いことも示されている。
本研究ではカイト(凧)とダート(矢じり)と呼ばれる2種類の4角形のタイル(図1)からなるペンローズタイリングを紹介し、パズル的要素を持つツール作成を行った。
図2はパズル画面の例である。この2種類からなるタイリングでは、頂点周りに出来る図形のパターンは7通りと決まっている。
パズルのピースとなるカイトとダートは向きを考えると、それぞれ10種類用意すればよいことがわかった。これらをAdobe Illustratorで作成し、それをAdobe Flash上で使用した。
ピースの動き方や、ボタン機能についてはActionScriptでプログラミングを行った。
ユーザーは、クリック選択したピースを自由に動かすことができる。
そして選択したピースを同じ形のtargetスペースに重ねたり、隣に接して配置できるピースへぴたりとくっつけることができるように工夫した。
論文では、このロジックについて詳述する。
パズルとしては、完成された画面を分解していくものと、ユーザーが自由にタイリングできる2種類を用意した。
ユーザーが自分でピースを自由に動かすことで、ペンローズタイルがどのようにタイリングされているかの規則性、法則性を視覚的、感覚的に理解し、オリジナルなタイリングも創作できるものとなった。
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目次
1 序論
- 1.1 タイリングとは
- 1.2 製作目的
- 1.3 試み
2 周期的タイリング
- 2.1 エッシャー・タイリング
- 2.2 写像と等長写像
- 2.3 2方向の並進
- 2.4 90 度回転と直交する並進
3 非周期的タイリング
- 3.1 2種のタイルからなるペンローズタイリング
- 3.1.1 カイトとダート
- 3.1.2 タイリング法
- 3.1.3 膨張・収縮
- 3.2 黄金比
4 ペンローズタイリングパズルの解説
- 4.1 パズルピースの仕組み
- 4.2 ボタン処理
- 4.2.1 パズルの型をかえるボタン
- 4.2.2 カイトとダートをそれぞれまとめてtarget に重ねるボタン
- 4.3 ピースの接触判定・吸着処理
- 4.3.1 選択されたピースを同じ形のtarget スペースに重ねる
- 4.3.2 隣に設置して配置できるピースにピタリとくっつく
5 まとめ
卒業論文リンク