情報システム学研究室
井上 明 教授

遊びの概念を取り入れたプログラミング的思考学習ツール"YubiTus"、IoTを活用したデジタル学習デバイス"EduDesk"などの研究を進めています。また、次世代アクティブ・ラーニング手法"ReBaLe"の提案・実践を行っています。
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デジタル・ティンカリング教材「YubiTus」の開発
ティンカリングとは修理屋を語源に持つ言葉で、「いじくりまわす」という意味を持つ。割り箸、ペットボトル、段ボール等、身の回りにある素材を組み合わせたり、分解したりして、実用的なものや風変わりなものなど、自分の目的に合うように作り変えるプロセスの事である。YubiTus は身の回りにある素材と組み合わせ、プログラミングによって様々な動きを表現できる。「回転」「挟み」「送風」「引っ張り」の動きを表現できるYubiTusを作成した。 YubiTusには制御用マイコン、アクチュエータ、バッテリが内蔵されており、動きはPCを用いてプログラミングを行う。プログラミングは子供でも利用できるように、ブロックタイプの専用ビジュアルプログラミング言語を開発した。各YubiTusはPCとBluetooth通信を行い、PCからの命令を受け取ることで動作する。 本教材を用いた学びの活動の特徴を明らかにするため、YubiTusを用いた学習活動を設計し実験を行った。
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AI初学者向け学習教材「Scraib」の開発
AIの仕組みや基礎知識を学び、ビジュアルプログラミングツールのScratchを用いて簡単にAI開発することを可能にしたAI初学者向け学習教材「Scraib(スクライブ)」を開発した。 Scraibは、Scratch2.0上でAI開発が出来るAIブロックである.Scratch2.0の拡張機能でAIブロックを作成し、ブロックを実行するとAIブロックに紐づいたAIに関する処理を行うPythonプログラムを実行できる。AIブロックはPythonモジュールのBlockextを用いることでScratch2.0上に作成でき、AIブロックを通じて深層学習やTensorflowを扱うことが可能である。
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効率的な知識獲得および定着を促進させる学習用アプリケーション「Bind」の開発
学習者は、アプリケーション画面左上に表示される映像教材から知識をインプットする。学習内容を画面右のノートテイクエリアで手書き記述することで、学習内容を整理し理解する。ノートテイク後、学習した項目に関するテストを実施し、知識を定着させる。このような知識の入力、整理・理解、定着という学習活動が一つのアプリケーションとして実装されている。 「Bind」は、当研究室で開発中の「EduDesk」上で利用することを想定している。EduDeskとはノートPC、タブレットに代わる新たな学習デバイスである。大画面であるためアイデア創出活動の活性化が期待される。例えば、電子教科書を見ながらデジタルペンでノートテイキングなどの学習が1つのデバイスで完結することも可能である。