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皆さんが進む未来は
色に例えるなら何色でしょう?
私たちはウイルスによるパンデミックが世界を瞬時に激変させることを経験したばかりです。ウクライナ-ロシア間の軋轢は2国間のみにとどまらず、エネルギーや食糧問題を巻き込みながら世界を分断・翻弄し、核戦争の勃発さえ憂慮される有様です。生成AIがもたらす恩恵と弊害は議論され始めたばかりですが、かねてよりAIの進化が人類を超えてしまうシンギュラリティ(技術的特異点)への危惧も指摘されています。一方、自然科学界では、小惑星衝突や破局噴火等が過去に地球環境を大きく揺さぶり、生態系に壊滅的なダメージを与えた事件が明らかにされています。私たち自身に起因する現在進行形の気候変動のみならず、今後このような自然起源の天変地異が私たち人類の生存を脅かすことはないのでしょうか?
起こって欲しくない危機を「起こらない」と片付けるのは簡単です。ただ皆さんがこれから進んでいく今後の世界を、そのリスクも包含して認識する力は、未来を切り開く工学系の技術者にとって新しいリベラルアーツの一つとなるはずです。
このプログラムでは現在から未来を見据え、私たちがどのような危機に直面する可能性があるのかを俯瞰し、自然科学と人文社会科学の枠を超えたリベラルアーツとして捉えます。さらにサイエンス分野の危機を一つ選び、その過去履歴や現状を理工系の視点から分析することで危機に対応する具体的な解決策を考えていきます。
プログラムは、2年生向けのPBL(課題解決)型授業として開講されます。工学部の学科の垣根を越えた編成チームをつくり、議論を通して危機と向き合い、その成果を発表会で競います。物理学、地球科学、生物科学といった多分野の教員が担当し、多様なアイデアに対応できるようにしています。様々な専門性、価値観、考え方を持つ学生が一体となって人類の危機に立ち向かう経験を通じて、多面的な思考力やコミュニケーション能力を育むことを目指しています。