大阪工業大学

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研究室VOICE 生き物から学ぶ

工学部

Profile

工学部一般教育科

三橋 雅子講師

エビの1種のハサミに生えている毛
大学には専門分野以外の授業もあります。専門分野の授業はもちろん大切ですが、分野を超えた広い視点を持つことも大切で、社会で他分野と協力するためにも必要ですし、今までにない新しい発見や技術の開発につながることもあります。
一般教育科には各専門学科に特化していない理学系の科目を担当する教員がおり、私は生物学を担当しています。生物学は文字通り、生物に関する学問なので、広い意味では医学や農学なども含み、たいへん大きな分野です。分子レベルのメカニズムが明らかになってきたおかげで、いずれの分野も日々驚異的な速さで研究が進んでいます。
一方で生物の形や微小な構造などをものづくりに応用しようという試みが盛んになっています。有名なところでは、新幹線の例でしょう。新幹線の先頭車両の形は空気抵抗が少なくなるように、カワセミのくちばしの形を参考にしています。カワセミは水に飛び込んで魚を捕ります。水中という空気に比べて抵抗の大きい環境でもすばやく確実に餌を得るために抵抗が少ない形状に進化したクチバシなのです。
生物の微細構造を応用した例としては、ハスの葉の表面構造を真似た構造をヨーグルトの蓋の内側に施した製品があります。ハスの葉の表面には非常に細かな突起が沢山生えていて水や泥をはじくことから、この構造を持った蓋にはヨーグルトが付きません。
このように生物の構造をものづくりに生かす技術を生物模倣(バイオミメティクス)技術といいます。ものづくりのヒントになる構造を見つけるために、電子顕微鏡を使って様々な生物の微細構造の観察が行われています(写真)。どうしてそのような構造をしているのか、まだ分からないことも多いのですが、生物から学ぶことはまだまだたくさんあります。
画期的な技術のヒントをごく身近な生物が教えてくれるかもしれません。是非さまざまな分野に興味を持って勉強してください。