大阪工業大学

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工学部 生命工学科Clinical Engineering Technician Training Course

目次

About 臨床工学技士養成コ—スについて

テクノロジーのイメージ画像
世界第1位の長寿国、日本。高齢化などの社会問題を解決するため、テクノロジーは日々多様に進化しています。医療も高度化し、それを支える医療機器もより高度に複雑化が進んでいます。2021年には医療法が改正され、これまで医師が担ってきた作業の一部が臨床工学技士の業務範囲となりました。「臨床工学技士」は、医学と工学の両面を兼ね備えた国家資格であり、いのちのエンジニア、医療機器のスペシャリストとしてチーム医療に貢献するメディカルスタッフです。高度化した医療機器を効果的に、そして精密に使いこなすには、工学と医療の両方の知識・スキルを兼ね備えた高い専門性を持つ人材が求められます。
これらの背景を踏まえ、大阪工業大学では「臨床工学技士」の受験資格が得られるコースを生命工学科に新設します。
生命工学科の卒業生には、以前より、3年次在学中の専門学校夜間専攻科のダブルスクールや卒業後1年間の学修を経て臨床工学技士として社会で活躍している卒業生がいます。
在学中の学びだけで臨床工学技士の受験資格が得られるカリキュラムの新設により、本学はこうした進路を志す学生に向けて最大限のサポートを提供します。

Policy 人材育成方針

人材育成方針の画像
生命科学から医工学まで、多様な分野の探究に役立つ豊富な設備・機器を取りそろえた教育環境で、今後の臨床工学技士に求められる工学に関する幅広い知識・スキルを有し、将来にわたって医療機器の高度化・複雑化に対応できる先端的人材を育成します。
また、同一法人で医療系学部を有する「広島国際大学」との連携で、腹腔鏡手術機器など高度医療機器を用いた実習を提供し、医療技術者としての高度な実践力獲得をサポートします。
常翔学園 広島国際大学のロゴ
学校法人常翔学園が1998(平成10)年、「保健・医療と福祉を軸 に世界平和を創造する大学」という理念のもと開設した6学部11学科を擁する健康・医療・福祉分野の総合大学。開学以来1,200人を超える臨床工学技士を輩出。
  • 2025年度工学部生命工学科への出願を予定されている、あるいはすでに合格された皆さまへ

    工学部生命工学科「臨床工学技士養成コース」での学修について(お知らせ)

    大阪工業大学

    2025年度入試において大阪工業大学工学部生命工学科に出願を予定されている皆さま、あるいはすでにAO入試等で合格された皆さまにおかれましては、生命工学科内に2025年度から新設する「臨床工学技士養成コース」での学修を検討いただいている方もいらっしゃるかと思います。
    本コース設置にあたっては、先般、厚生労働省への手続きがすべて完了したことをご報告させていただきます。現在は、編成した教育プログラムの円滑な実施など、入学生の受入れに向けた準備を着実に進めております。
    本コースにおける4年間の学修には、知識を涵養する講義科目や、実技能力を養う実習科目だけでなく、現場での実践力を向上させる病院実習(4年次)なども組み込まれています。本学の運営母体である学校法人常翔学園は、医療系学部を有する広島国際大学も運営しており、その卒業生は臨床工学をはじめとする医療関係の諸分野で広く活躍し、高い評価を得ています。本学の「臨床工学技士養成コース」の一部の授業科目については、この広島国際大学における長年の教育ノウハウを多角的に取り込むことで、最大限の学修成果を生み出すよう設計されています。それに加えて、3年次では実際に広島国際大学に出向き、高度な先端施設を活用した実習科目を2週間の予定で受講します。
    「臨床工学技士養成コース」を選択される皆さまには、卒業時での国家資格取得を目指して学修に励んでいただくことになります。そのため、4年間の学部在学中に、前述の病院実習や広島国際大学での科目受講、ME2種試験対策講座や国家試験対策講座の受講に取り組んでいただく必要があります。
    この中には、所定の学費には含まれない費用(例えば、病院実習の費用10万円程度など)を要するものもありますので、あらかじめご承知いただければ幸いです。
    2025年度の工学部生命工学科入学生の皆さまは、この「臨床工学技士養成コース」を選択できる第1期生となります。このコースに所属するかどうかは、入学後のガイダンスや1年次前期配当の関連基礎科目を受講したのち、1年次の9月に希望者が申し出ることになります。このコースでの学修を選択された皆さま全員が、生命工学科での学位取得と臨床工学技士の国家資格取得という二重の価値を備えた人材として卒業していただけるよう、本学としては万全の支援を提供します。詳細は入学後のガイダンスなどでご説明しますので、ご期待ください。

Feature特長

  1. 入学後のコース選択が可能

    臨床工学技士養成コースは、本学生命工学科に入学後の1年次7月頃にコース受講者を決定します。学科が展開する生命科学・医工学・食品などの幅広い分野を学修し、将来への視野を広めながら臨床工学技士を目指す選択が可能です。

  2. 実践的な経験が積める

    同一法人の広島国際大学は、臨床工学技士の養成において25年以上の実績を積み重ねています。夏期に同大学に滞在して実習するなど、学園が有する教育資源を効果的に活用し、実りある教育を実現します。

  3. 高い就職力

    2023年度実就職率ランキングにおいて、本学は関西の私立大学の中で14年連続第1位の実績を誇っています。臨床工学技士を目指す生命工学科学生にも、本学の高い就職支援力にもとづく幅広い進路が開けます。

  4. 好立地なキャンパス

    JR大阪駅から約25分で到着

OB・OG interview 卒業生インタビュー

  • 感謝の言葉が一番のやりがい
    坂井勇亮さんの画像
    西脇工業高等学校卒
    2014年工学研究科生体医工学専攻博士前期課程修了
    特定医療法人桃仁会病院臨床工学部

    坂井勇亮さん

    臨床工学技士(CE)を目指したきっかけ
    父が自動車整備の仕事をしていたこともあり、元々“工学”に興味がありました。高校2年生の時に大病を患い、医師や医療関係者に命を救ってもらったことがきっかけで、“医療”と“工学”の分野を総合的に学べる学科がある大阪工業大学生体医工学科(現:生命工学科)を志望しました。CEは大学入学後、医療工学を学ぶ中で初めて知りました。在学中に夜間の専門学校に通うことで大学卒業と同時に就職できる条件が揃っていることも魅力に感じ、1年次でCEになることを決心しました。

    在学中のエピソード
    とにかく勉強に部活に一生懸命で充実した大学生活でした。3年次からの2年間は、CEの資格を取得するために夜間の専門学校に通っていたので、平日は朝から夜まで勉強し、合間にアルバイトや英会話などにも取り組むという生活でした。学部卒業時には、医療機器メーカーへの就職か大学院進学か迷った時期もありましたが、更に専門性を深め、学会発表など研究者としての経験も積みたかったので、進学を選択しました。

    現在のお仕事の内容

    腎臓が悪く体内の老廃物を体外に排泄できない患者さんに対して、人工腎臓を使った血液透析という治療方法を病院で行っています。桃仁会病院は血液透析102床を誇り、京都府最大の透析治療施設として血液透析医療を中心とした腎不全治療を行っています。最大で同時に25人ほどの患者さんを診ながら、装置の設定を細かく操作する必要があるため、高い集中力を要求される仕事ですが、治療が終わった患者さんからいただく感謝の言葉は何にも代え難くやりがいを感じます。

    お仕事に生かされている本学での学び

    何かトラブルが生じた際などに、その原因について仮説を立て、検証するという思考法は、学生時代に鍛えられ、臨床の現場でも生かされていると感じます。例えば、患者さんの血圧が下がった際には、なぜそうなったのか原因を探り、対処法を考えますが、そうしたプロセスは大学での実習や研究などで求められる思考と共通すると思います。また、医療と工学の両方の知識を持っているため医療機器の測定原理が理解でき、トラブルに対してもいち早く解決策を提案する事ができています。

    高校生にメッセージ

    CEは非常にやりがいのある仕事です。AIなどにより常識が目まぐるしく変化する時代。医療に携わる人間も、数理・データサイエンス的な知識を持つことが求められると思います。つまり、これからの時代は、医療だけでなく、工学の知見を持つCEが必要不可欠になります。大阪工業大学で“医”の臨床(医学分野)と“工”のものづくり(工学分野)の両方を学べる大阪工業大学生命工学科への入学をオススメします。
  • 工学の目線を持ったCEとして
    梶山梓さんの画像
    常翔学園高等学校卒
    2013年工学部生体医工学科
    (現:生命工学科)卒
    日本赤十字社大阪赤十字病院医療技術部臨床工学技術課

    梶山梓さん

    臨床工学技士(CE)を目指したきっかけ
    中学、高校と理数系が得意で、両親が医療関係者であったため、自然と“医療”と“工学”の両方に興味を持ちました。人工心肺など工業大学で“医療”についても学べるところが決め手になり大阪工業大学への進学を決めました。大学入学後のオリエンテーションで初めて臨床工学技士を知りました。当時は、大学に通いながら同時に専門学校で学ぶ事で国家資格を取ることができ、自分でもCEについて調べてみると、体外循環や人工呼吸器の管理など、とても興味のある職種であったため、目指すことにしました。

    在学中のエピソード
    人工呼吸器や人工心肺装置などを実際に触って学習する授業や病気・病態の種類を詳しく学べる授業は特に印象に残っています。また、所属した研究室は医療ロボットに関する研究を行っており、より医療現場を意識することができましたし、卒業研究では視覚障がい者の脳を活性化させるための楽器開発を行うなど、医療に対する工学的なアプローチを実践することもできました。

    現在のお仕事の内容

    入職後5年ほどは人工心肺業務、心臓カテーテル室業務、機器管理業務、手術室業務、血液浄化業務とさまざまな部署で経験を積んでいました。手術室業務では、心臓手術など心肺を停止して行わないといけない手術で、私たちCEが患者さんの心臓の代わりとなる人工心肺装置を操作してチーム医療に貢献します。時には手術時間が15時間にも及ぶときもあり、高い集中力が必要となりますが、患者さんの治療に自分が貢献でき、回復されたときはとても誇らしく、やりがいを感じます。妊娠・出産を期に、現在は機器管理業務のみに従事しています。業務内容は医療機器の点検・修理、人工呼吸器の使用中点検や院内の看護師などの多職種への研修会の実施などです。

    お仕事に生かされている本学での学び

    生体医工学科で学んだことで医療と工学の幅広い知識を学ぶことができました。そのおかげか医療機器の修理やその扱いに苦労することが少なく感じます。また、脳活動を計測するNIRS(近赤外分光法)という医療にも使われる機器を取り扱った経験や研究活動のためのインフォームドコンセントの手続きなど、医療・臨床と工学の両方を取り扱うことができ、今の業務にも生きている学びがたくさんありました。

    高校生にメッセージ

    私は大学選択時に就職のことまでは考えられていませんでしたが、入学後のガイダンスで臨床工学技士について知る機会があり、実際に医療の現場に立つことができました。工学の目線を持つ医療従事者はCEだけなので、医療の質を向上させるうえで重要な役割を担う職種です。みなさんもきっと医療の最前線で活躍することができると思います。一緒に医療の最前線で働けることを楽しみにしています。

講義一覧

専門科目

●オンラインまたはオンデマンド科目 〇広島国際大学での夏期実習科目
※コース開始の際には、一部変更の可能性があります。
 
  1年 2年 3年 4年
共通科目
  • 数学基礎
  • 線形代数学Ⅰ
  • 基礎情報処理Ⅰ
  • 基礎情報処理Ⅱ
  • キャリアデザイン
     
基幹科目
  • 医学概論●
  • 人体生理学Ⅰ
  • 電気工学基礎
  • 生命工学概論Ⅰ
  • 生物実験
  • 生命数学演習
  • 生命物理演習
  • 人体生理学Ⅱ
  • 生化学Ⅰ
  • 生化学Ⅱ
  • バイオエレクトロニクス
  • 医工学実験
  • 公衆衛生学
 
医工学系  
  • 生体物性工学
  • 生命計測工学
  • 生体システム工学
  • バイオマテリアル
 
生命科学系  
  • 免疫学
  • 医薬概論
  • 生物情報工学
  • 生物物理学
 
臨床工学系
  • チーム医療概論
  • 臨床工学関係法規●
  • 機械工学
  • 生体計測技術学●
  • 医用治療機器学●
  • 体外循環技術学●
  • 呼吸療法技術学●
  • 血液浄化技術学
  • 機器安全管理学●
  • 医用機器学実習
  • 臨床医学総論Ⅰ●
  • 臨床医学総論Ⅱ●
  • 電気電子工学実験
  • 手術治療機器学●
  • 臨床支援技術学Ⅰ●
  • 臨床支援技術学Ⅱ●
  • 臨床安全管理学演習●
  • 臨床支援技術学演習・実習
  • 体外循環技術学演習●
  • 呼吸療法技術学演習●
  • 生体機能代行技術学実習〇
  • 血液浄化技術学演習
  • 生体計測技術学実習
  • 臨床医学総論Ⅲ●
  • 臨床医学総論演習●
  • 臨床工学実習Ⅰ
  • 臨床工学実習Ⅱ

Support system 資格取得のサポート体制

本コースでは通常の授業(カリキュラム)に加え、臨床工学技士国家試験の合格に向けたさまざまなサポート体制を整えています。
自主的な学習をサポートするために、「オンデマンド解説による自己学習の啓発」「担当教員制及び個別の学修支援」「コース内メンバーとのグループ学習(友人同士で相談しながら過去問題を解答し、適宜担当教員に質疑・相談を行う)」などの体制・環境を提供します。

加えて、年次毎の重点学習サポートとして、1年次は「数学や物理、電気工学などの工学基礎科目支援」、2年次は「生物物理学や各種治療機器学などの臨床工学科目支援」、3年次は「第2種ME技術実力検定試験の合格支援」、そして4年次では「国家試験過去問の臨床工学技士による学修支援」を行います。

第2種ME技術実力検定試験は、医療機器の安全管理を中心とした専門知識や応用力などを証明する民間資格で、試験内容が臨床工学技士国家試験に近いため、検定試験の受験を通してこれまでの学修成果を可視化できます。また、本資格を取得することで「第2種ME技術者(医療機器の安全管理に関するエキスパート)」として働くことが可能となり、医療機器メーカーなど就職先の幅も広がります。

4年次の臨床工学技士による学修支援では、実際の臨床現場で働いている臨床工学技士を招き、臨床工学技士国家試験のポイント解説やエキストラ講座を行い、単元ごとの国家試験対策を実施します。

このように、入学後のカリキュラム実施に加えて、臨床工学技士国家試験への合格に向けたさまざまなサポート体制を整えており、志を共にするコースメンバーと共に担当教員一丸となって4年間の学修を進めていきます。

Facility施設紹介

  • 「大宮」にそびえ立つ
    インテリジェントキャンパス。

    最新のハイテク機器を備えたインテリジェントキャンパスでは、9学科の学生が学んでいます。最先端の研究に専念できる環境で、一人ひとりがゼロからひとつのものを作る技術と知識を身につけます。

    大宮キャンパスの画像
  • 臨床実習室

    臨床工学実習では、人工呼吸器や人工心肺装置、人工透析装置を実際に操作することで体外循環法や血液浄化法などの実習を行います。これらの機器を用いた実習は、臨床工学のフィールドで必要不可欠な実践力を育て上げ、臨床工学技士として求められる個々の患者さんの状況に対応できる人材育成に寄与します。本実習についても、複数名の専門教員が担当しますので、きめ細やかな実習体制が整っています。

    臨床実習室の画像
  • 基礎工学実習室

    基礎工学実習では、オシロスコープやマルチメーター、ワンボードマイコンなどの電気・電子・情報機器を利用した実習を複数名の担当教員指導の下で行います。本実習を通して、臨床工学技士に必要不可欠なエンジニアとしての基礎知識や技術を身につけていくことで、臨床工学技士として現場で求められる医療機器の保守管理能力を養います。

    基礎工学実習室の画像
  • 基礎医学実習室

    基礎医学実習では、顕微鏡や標本作製装置を用いた解剖実習などを通して、臨床工学技士として必要な人体の構造や働きに関する知識を身につけていきます。また、複数名の専門教員担当の下、標本模型などを活用し、臨床工学技士として身につけておくべき血液に関する医学的知識や穿刺(血管に針を刺す)技術についても学んでいきます。

    基礎医学実習室の画像

Contactお問い合わせ・アクセス

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生命工学科事務室大宮キャンパス東学舎2号館1階

Tel:06-6954-4643
Fax:06-6954-4649

受付時間:平日9:00〜17:00
夏期・冬期休業期間中のお問い合わせには、回答にお時間を頂く場合があります。

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