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研究室VOICE 筋肉をミクロ(分子生物学)に観察して,マクロ(体育授業)に使おう!

工学部

Profile

工学部総合人間学系教室〔健康体育〕

石道 峰典准教授

健康体育研究室

図1 骨格筋の顕微鏡画像
より広く社会に貢献できる研究室を目指して、分子生物というミクロな世界と体育教育というマクロな世界でそれぞれ研究活動を行っています。
 
◯筋肉にある“水の通り道”の役割とは?
我々は水が無ければ生命活動を維持し続けることが出来ません。みなさんが普段、体を動かす時に使っている骨格筋は、その約8割が水分でできており、巨大な水の貯蔵庫としての役割も担っています。骨格筋には水分子専用の通り道“水チャネル”が存在します。この水チャネルを通過して血管と骨格筋との間でスムーズに水分子の移動が行われることで、健康的で元気な身体活動を維持できています。逆に骨格筋内外の水分子の移動が滞ることで筋機能の低下や重篤な筋疾患につながる可能性もあります。
一般に、骨格筋は、怪我や疾患によりダメージを受けた場合、健康な元の状態へと再生しようとします。このとき、水分子の移動も積極的に行われていると考えられますが、骨格筋の再生に水チャネルがどのように関与しているのかは明らかになっていません。骨格筋の再生に対する水チャネルの働きを人工的に制御することが出来れば、従来よりも効率の良い骨格筋の再生や治療の方法が見つかる可能性があります。
そこで、本研究室では、筋疾患の治療や再生医療への応用を目指して、水チャネルによる骨格筋の形態制御機構の解明に日々、取り組んでいます(図1)。
図2 社会人基礎力の概念とは?
◯体育の授業で「魅力的な社会人」を目指してみませんか?
「職場や地域社会で多様な人々と仕事をしていくために必要な基礎的な力」を「社会人基礎力」と呼びます(図2)。近年、企業の人事評価や新卒採用現場で「社会人基礎力が高い」=「魅力的な社会人」という認識が広がりつつあります。
そこで我々の研究室では、社会人基礎力向上に対する体育の授業の教育効果を研究しています。その結果、体育の授業を通じて社会人基礎力が向上していく可能性が出てきました。最終的な結論を出すにはまだまだ詳細な研究が必要ですが、体育の授業には社会人基礎力を向上させる潜在的教育効果があることが示唆されます。