日常生活支援ロボットに求められること

私の研究室では、「日常生活支援ロボット」の研究・開発をしています。人間の身の回りでロボットが活躍するためには、単に機能が高いだけでは十分ではなく、そのデザインも重要です。例えば、ロボットの外観を適切にデザインすることにより、そのロボットに対する「親しみやすさ」を演出することができます。しかし、そのデザインを誤れば、ユーザはロボットに対し、不気味さや恐怖感を覚えることになり、結果的にロボットの機能が十分に使われないことにつながります。
ロボットデザインとは

ロボットデザインとは、単に外観だけではなく、ロボットの動作を含みます。例えば、人間とコミュニケーションを行うロボットをデザイナが設計したとしても、適切な動作をしなければ、人間は不気味さを感じます。
拡張現実感とロボット

ロボットを製作した後、実地テストを繰り返し、デザインの不具合を修正することが、一般的かと思います。しかし、ロボットの製作には、多大なコストと時間がかかります。そこで、拡張現実感(Augmented Reality, 以後AR とする)を用いて、ロボットデザインの評価を行うことを提案しています。AR とは実世界内に仮想物体や情報を重ね合わせて表示する技術です。例えば、図2に示したように、もっとも「親しみやすさ」を感じるロボットの設計ができました。
実世界への応用
ロボットを研究室の中で動かしているだけでは、十分な知見は得られません。現場で使用してもらう必要があります。しかし、現状では様々な制約があり、現場で使用してもらうのが困難です。そこで、最初のステージとして、オープンキャンパスや各種展示会への出展、そして、生活支援ロボットの性能を競技形式で競うロボカップ@ホームリーグ(2015年大会優勝)へ出場することで様々な知見を得ています。いよいよ、次のステージが待っています。人間に役立つロボットを目指して!