大阪工業大学

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研究室VOICE 『生命の生命による生命のための工学』

工学部
宇戸 禎仁

Profile

工学部生命工学科

宇戸 禎仁教授

生体電子工学研究室

発汗の計測
「生命工学科って何をするのですか?」
これは何となく生命工学科に関心のある受験生の皆さんが当然抱く疑問です。その答えは生命工学科のHPにも掲載されていますが、今一度考えてみましょう。まず“工学”を簡単に説明するなら“工業生産技術を研究する学問”と言って問題ないでしょう。次に“生命”を簡単に言うと“いのち”ですね。あとは“生命”が“工学”をどのように修飾しているかを考えれば“生命工学”が見えて来ます。そこで“生命の生命による生命のための工学”をキーワードに研究内容について簡単にお話します。
 まず“生命の工学”です。“生物の命”の創造は倫理的にも技術的にも今は難しいのですが、植物工場などの動植物の培養や栽培技術の研究も生命工学の一分野と言えるでしょう。高級食材のマツタケの人工栽培に取組む研究室があり、私も一緒に高電圧パルスの印加の影響などを調べています。
胸部心電マップ
 次に“生命による工学”です。これは生命を利用するということですが、実は古くから醸造・発酵などの食品技術として使われています。私自身も、日本の国菌に指定されているニホンコジカビに磁場を当てて日本酒造りに役立てる研究などを行っています。近い将来、もっと美味しいお酒が、もっと簡単に出来るかもしれません。また化石燃料も太古の生物の死骸ですので生物の利用と言えなくもないのですが地球温暖化の要因と指摘されています。そこで環境負荷の小さい生物由来のビタミンや糖類から発電する燃料電池の研究も行っています。
 最後に“生命のための工学”です。これは医療技術そのものであり、本学の生命工学科が得意とする分野です。再生医療や機能性食品、医薬品の開発など、私達人間の生命維持に役立つ技術の開発研究をいろいろ行っています。私自身は、胸部に電極をたくさん取り付けて心電を計測し、医療や心理計測に役立てる研究をしています。緊張すると心臓がドキドキしますが、無意識のレベルでわずかに変化する心電波形から心の動きを読み取る研究です。“いのち”のための研究は医学部に限らず工学部でも出来るということですね。
GTXを多く含むアセビ