大阪工業大学

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研究室VOICE レーザー技術を支える光学部品の新しい評価方法とは

工学部

Profile

工学部電子情報システム工学科

神村 共住教授

レーザー研究室

光学部品内に発生したレーザーダメージ
2018年のノーベル物理学賞はレーザー物理学分野!
 レーザーと聞いて???となることがないくらい、みなさんの身近にはレーザーポインター、バーコードリーダーなどの製品や、レーザーによって加工され組み立てられた車、鉄道などにより便利で快適に生活することができています。レーザーは今から59年前の1960年に発明された技術です。レーザー技術に関して多くのノーベル賞がこれまでに贈られてきましたが、2018年のノーベル物理学賞は光ピンセットの発明と生物システムへの応用につなげたアーサー・アシュキン博士、高強度、超短光パルスを生成について共同で研究を行ったジェラール・ムル博士とドナ・ストリックランド博士に贈られました。21世紀も様々な分野でのレーザー技術の活躍が期待されています。
光学材料のレーザー損傷耐性の非破壊評価技術(評価イメージ)
レーザーの性能は光学部品で決まる
 このように様々な分野で活躍するレーザー技術ですが、強力なパワー、波長が短くエネルギーが大きなレーザー光を発振させるレーザー装置では、発振したレーザー光の強力なパワー、エネルギーでレーザー装置を構成している光学部品自体が壊れてしまいます。部品が壊れることを「レーザーダメージ」と言います。どれくらい大きなレーザーパワーでも壊れないという光学部品を使うことができれば、高い信頼性、高性能なレーザー装置を作ることができます。
 私の研究は、光学部品がどのくらいの大きさのレーザーパワーでレーザーダメージが発生するのかを高精度に計測する技術です。しかし、計測すると光学部品が壊れてしまいレーザー装置の組み立てに使えなくなることが悩みの種でした。そこで、光学部品を壊さなくてもレーザーダメージの発生が分かる方法を考えようと、光学部品にレーザー光を照射したときに生じる非線形吸収量とレーザーダメージの発生の関係を見いだしました。光学部品が壊れない非破壊条件で非線形吸収量を計測することでレーザーダメージが発生するレーザーパワーを調べることができる非破壊計測技術を発明しました。この新しい計測技術を使うと光学材料の品質を三次元で評価することができます。この技術の実用化を進め、レーザーダメージが生じにくい光学部品を供給することでレーザー技術のさらなる深化に貢献します。