大阪工業大学

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研究室VOICE 身近にある土の力学

工学部

Profile

工学部都市デザイン工学科

藤本 哲生准教授

土構造研究室

写真-1 令和元年東日本台風によるため池堤防の決壊
私たちの暮らしの中には様々な所に土が存在しています。例えば、足元にある土は、いつも私たち自身や住まいをしっかりと支えています。また、食事で使う茶碗などの陶器やメイクに使用する化粧品も、粒の細かい土をもとに造られたものです。このように、土は私たちの暮らしに欠かせないものとして存在しています。
写真-2 土の強度を求めるための実験
私たちの暮らしの安心・安全を支える社会基盤の分野にも、様々な所に土が存在しています。土は他の材料と比較して調達性、施工性、経済性に優れている便利な材料であるため、例えば、人工的に土を盛り上げた盛土として道路、堤防、ダムなどを形成しています。これらの土で造られた構造物のことを土構造物(どこうぞうぶつ)と呼びますが、土は水分量の増加や地震の揺れの影響により強度低下する性質があるため、豪雨や大規模地震によって土が壊れて土構造物に被害が生じ、私たちの安心・安全な暮らしを脅かすことがあります。その典型的な事例として、写真-1に示すような豪雨時の堤防の決壊が挙げられますが、これは堤防を形成する土の内部に働く力の釣り合いが水分量の増加によって崩れ、土が壊れることが原因となって発生する現象です。
図-1 数値解析によるダムの地震時挙動の予測例
そこで、本研究室では、自然災害に対する土構造物の安全性について研究し、その知見を踏まえて耐災性を有した土構造物を構築することを目指して、写真-2に示すような各種の実験やコンピュータによる数値解析を行っています。その一例を紹介すると、土と岩石とコンクリートを組み合わせた「コンクリート表面遮水壁型ロックフィルダム」という型式のダムを対象とし、耐震性の評価手法を確立することを目的として、図-1に示すように数値解析により地震時挙動を予測するとともに、構造的に弱点となる可能性のある部位の縮小模型を製作し、実験によりその破壊挙動を確認しています。
 
近年多発する自然災害から私たちの安心・安全な暮らしを守るために、私たちと一緒に身近にある土の力学を究めてみませんか?