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研究室VOICE 確率を利用する

工学部

Profile

工学部電気電子システム工学科

重弘 裕二教授

システム最適化研究室

図1:樹形図1
 たくさんの赤い玉と青い玉が箱に入っていました。箱の横には空のリュックが置かれていました。
太郎くんは、1つずつ赤い玉か青い玉をランダムに選んで、リュックに入れていきました。今、リュックの中には10個の玉が入っています。
 
そこへ花子さんがやってきて、リュックから手探りで(中を見ずに)玉を1つ取り出し、色を確認してから、その玉をリュックに戻しました。さらに同じことを繰り返して、玉の色を何度か確認しました。
図2:樹形図2
では、問題です。
 
【問題1】
もし花子さんが玉の色を10回確認したとして、7回が赤だったとすると、次に玉を取り出したときに赤い玉が出てくる確率はいくらでしょうか?
 
再度、玉の色を10回確認するとしたら、やはり7回ぐらい赤が出るように思えます。ということは、赤い玉が出る確率は7/10ということになるでしょうか。
 
この問題はどうですか?
 
【問題2】
もし花子さんが玉の色を2回確認したとして、2回ともが赤だったとすると、次に玉を取り出したときに赤い玉が出てくる確率はいくらでしょうか?
 
問題1と同じように考えると確率は1になります。でも、リュックの中に青い玉が入っている可能性もあるので、明らかに確率は1ではありません。
 
どう考えれば良いのでしょうか?
図3:説明は本文を見てください
 問題1と同じように考えると確率は1になります。でも、リュックの中に青い玉が入っている可能性もあるので、明らかに確率は1ではありません。
 
どう考えれば良いのでしょうか?
 
まずは、太郎くんがリュックに入れた玉が2個だったとして考えてみます。花子さんが玉の色を2回確認したのであれば、樹形図を描くと図1のようになり、16通りの可能性があります。
 
もし花子さんが確認した玉の色が2回とも赤だったとすると、図2に描いた6通りのどれかが起こったということです。これらの起こりやすさは全て同じなので、リュックの中身が「赤赤」となるのはABCDで4/6、「赤青」となるのはELで2/6です。
 
同じように考えると、玉が10個だった場合は図3のようになります。赤紫が問題1、緑が問題2の場合です。横軸がリュックの中に入っている赤い玉の個数で、縦軸が確率です。問題1、2とも、答えは6/10ぐらいなのです。
 
こんな考え方を「最適化」に利用しようと考えているところです。
 
 
 
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