大阪工業大学

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研究室VOICE 都市や地域をより良いものとするために

工学部

Profile

工学部都市デザイン工学科

西堀 泰英准教授

都市・地域計画研究室

公園利用実態の調査風景
 私たちが暮らす都市や地域は,生活するうえで便利で快適な部分もたくさんありますが,不便なところや問題のある部分もたくさんあります.例えば自動車を使えば行きたい時に行きたい場所へ便利に移動することができますが,交通量が多くなると渋滞や交通事故の心配も出てきますし,公共交通が不便な地域では自動車が使えないと移動に困ることもあります.
 
 都市や地域に対する考え方やルール,管理の方法,あるいは使い方をちょっと変えることで,もっと便利で快適で安全で,持続可能な都市や地域を実現できる可能性があります.例えば,道路空間や身近にある公園や多くの人が行き交う駅前広場の使い方,移動の足を確保する公共交通の支え方,交通事故対策や自然災害への備え,都市と郊外でのメリハリのある土地利用など,改善や工夫の余地は十分に残されています.
無信号横断歩道での調査風景
  では都市や地域をより良いものとするためにはどうすればよいのでしょうか.まずは現状を調査して問題を把握し,それをもとに課題を見定め,解決策を検討して実行することが基本的な進め方になります.都市や地域は行政が管理している領域が大きいため,大学が「実行」できることはあまりありませんが,反対に「現状調査」「問題把握」「課題設定」「対策検討」は行政の手が届かない領域であっても大学が担うことができます.
 
フレイルチェックの様子
  都市デザイン工学科の都市・地域計画研究室では,都市や地域をより良いものとするための研究を行っています.私たちの研究を行う上でまず必要となるのが,上にも記載した「現状調査」です.学生たちが現場に出て実態を観測することや,各種センサーを設置するなどの多様な手法を用いて様々な調査を行っています.2022年度の研究では,写真に示すように大阪工業大学周辺にある公園の利用実態や,無信号横断歩道の一時停止率の調査などを行いました.また,公共交通が不便な地域に移動手段を確保することによる高齢者の健康への効果を把握するために,地域の方々が行う活動実態やフレイルチェック等の調査に協力しています.行政機関,民間企業,他大学等と連携し,得られた調査結果をもとに,都市や地域の様々な課題を解決するための研究を進めています.
 
 今の私たちの生活を守りながら,新しい技術も活用しつつ,ちょっとずつ悪いところを改善し,より良い都市や地域を実現する.こうした未来を創ることに貢献していきたいと考えています.
 
 
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