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研究室VOICE 有機エレクトロニクスってなに?

工学部

Profile

工学部電気電子システム工学科

藤井 彰彦教授

有機エレクトロニクス研究室

図1 有機化合物を利用した太陽電池研究のイメージ
 「有機エレクトロニクス」という言葉を聞いたことがありますか?「エレクトロニクス」はともかくその前の「有機」って意味不明かもしれません。一言でいうと有機化合物のことですが、高校の化学の最後に出てくる内容です。炭素、水素、酸素が主成分の分子で、人間や生物の体を構成している身近な物質とも言えます。それらの中で電圧をかけると電流が流れたり、物理的もしくは化学的に反応するものがあり、エレクトロニクスに応用できるわけです。

 ところで、皆さんの家庭のテレビやスマホの画面は液晶ですか?それとも有機ELですか?これまで気にしたことがないかもしれませんね。光を制御するシャッターの役割をしているのが液晶で、流れてくる電流を光に変換して分子自身が光るのが有機ELです。皆さんは意識することなく有機エレクトロニクスと毎日触れ合っているんです。私の現在の研究テーマはそのような有機化合物を太陽電池に応用することです。太陽電池を作るときには有機化合物をインクにして薄く塗り広げる作業があります。プリンタなどで印刷するのと同じです。近い将来、太陽電池や電子部品はWebサイトからダウンロードした情報を元に職場や家のプリンタで手軽に作れるようになるかもしれません。
図2 有機エレクトロニクスに出会った頃に読んだ入門書と、恩師との写真
 私は35年前に大学に入学しましたが、その頃有機エレクトロニクスという言葉はなく、関係する専門分野があることすら知りませんでした。工学部志望で大学受験しましたが、電気工学科か高分子化学科かで最後まで悩み、結局親の助言で前者にしたというのが本当のところです。入学してもやりたいことが見つからないまま、学業よりもクラブ活動に打ち込んでいました。3年生になったある日、所属学科の先生(のちの恩師)の受賞記事を新聞でみつけて興味をもち、その先生の講義に魅了され、現在の専門分野に進みました。転機はいつ訪れるかわからないものです。結果的に入試で迷った二つの学科を跨いだ研究分野に辿り着いたのは本当に幸運でした。

 私はこの4月に工学部の教員として着任しましたが、私の講義を聞いている学生たちもかつての私と同じように進路に悩んでいるかもしれません。そうした学生たちが少しでも自信や希望をもって前に進めるよう、微力ながら貢献したいと考えています。


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