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研究室VOICE 運動で血管ストレスを解消!

情報科学部

Profile

情報科学部ネットワークデザイン学科

久米 大祐講師

応用生理学研究室

図1:動脈硬化度の測定風景
  応用生理学研究室では、運動や精神ストレスに伴う生理応答に関する研究に取り組んでいます。現在では特に、動脈硬化度(血管の硬さ)に着目して研究を行っています(図1)。研究成果に基づいた新しい健康づくり法の開発を目指しています。ここでは、最近の研究成果を紹介します。
 
 ストレス社会に生きる現代人は、様々なストレス要因に曝されています。注意すべきことに、精神ストレスは、一過性かつ短時間な場合でも、動脈硬化度を一時的に増大させます(ここでは、この悪影響のことを血管ストレスと呼ぶことにします)。こうした血管ストレスが日常的に繰り返されることで、持続的な動脈硬化を招く恐れがあります。そのため、日々のストレスから血管を保護するための効果的な方略を考案することは非常に重要です。
図2:実験結果のグラフ
  この点を解決するために、私たちは次の研究を行いました(図2)。精神ストレスを負荷するため、対象者の方に暗算課題を行ってもらい、その後、10分間の座位安静(安静条件)もしくは同時間の低強度での自転車運動(運動条件)を行ってもらいました。そして、その際の動脈硬化度に測定しました。実験の結果、精神ストレスによって増大した動脈硬化度は、自転車運動を10分間行うと元の水準に戻りました。この結果から、短時間の運動によって血管ストレスを解消できることが明らかになりました。さらに、その後の研究から、ステップ台や階段等の段差(20cm程度)を利用して簡便に行えるベンチステップ運動をわずか3分間行うだけで、血管ストレスを解消可能であることが示されました(図3)(Kume et al. PLoS One, 2022)。一連の研究成果は、現代人にとって有用な健康づくり法の開発に貢献します。
図3:ベンチステップ運動のイラスト
  当研究室では、今回紹介した研究内容の他に、精神ストレスや気分、睡眠状況が身体機能に及ぼす影響を検討しています。このような研究テーマに興味を持った方は、私たちと一緒に研究に取り組みませんか?