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研究室VOICE 電化製品から出る電磁ノイズってなに?

工学部

Profile

工学部電気電子システム工学科

神野 崇馬講師

パワーエレクトロニクス研究室

図1 電磁ノイズ対策部品
2023年4月から工学部電気電子システム工学科に着任しました神野崇馬(じんのそうま)と申します。
 
 私の研究室では、電化製品に発生する「電磁ノイズ」に関する研究を行なっています。 毎日みなさんは様々な電化製品を使っていますが、電磁ノイズという言葉は聞いたことがないと思います。それは製品開発に携わる人たちの地道な努力によって電磁ノイズを抑えることができているため、私たちには存在すら認識されません。電磁ノイズは他の電化製品の誤動作を引き起こします。そんなことが起こると大問題になるため、規格で定められた基準値以下になるように対策されています。例えば図1の写真で示すように、パソコンやスマホを充電するケーブルが途中で太くなっていることがあります。これも電磁ノイズを対策するための部品です。
図2 ケーブルに流れる電磁ノイズ
少し専門的な話をすると、電化製品を使う際、プラグを電源に挿します。この時、何が起こっているのでしょうか?これは電源から電気エネルギーを取り出しています。この時、ケーブルと呼んでいる線を使って電気エネルギーを使いたい製品に運んでいます。ケーブルは便利ですね。ケーブルには、図2に示すように2本の導線(電気を流す細長い金属)で構成されています。ケーブルには電気が流れてエネルギーを運んでいます。この時、電気は2本の電線で異なる向きに流れています。まるで、導線と電化製品を1周するようにくるくる回っているように見えるので、回路は英語で「サーキット」と呼ばれます。私が着目している電磁ノイズはサーキット(2本の線)を同じ向きに流れている電気です。これは普段私たちが使う電気を「ノーマルモード」と呼ぶのに対して、電磁ノイズの原因となる電気は「コモンモード」と呼びます。このコモンモードはケーブルをアンテナにして放射することで、他の製品の誤動作の原因となります。図1に示した電磁ノイズ対策の部品もコモンモードを抑制するための部品です。
 
 私の研究室では、この電磁ノイズ(コモンモード)がなぜ、どのようにして発生するのか、物理現象として明らかにする研究を行なっております。コモンモードを計算するためのシミュレーターや測定するための方法などを開発しています。この研究を通じて、少しでも製品開発に携わる人たちの役に立てるようにしていきたいです。
 
 
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