大阪工業大学

Notification

The contents of this website are translated by "Shutto Translation."
Please note that due to the use of automated translation, there may be cases where the translation is not correct.
Additionally, translations may not be provided for some images and PDFs.

We appreciate your understanding.

研究室VOICE もう充電コードはさようなら? 夢の無線電力給電の世界

工学部

Profile

工学部電気電子システム工学科

金城 良守准教授

高周波集積デバイス研究室

●スマートな未来がすぐそこに

ユニクロの無人レジ
 長年愛用してきたスマートフォン。バッテリーの持ちが悪くなり、重たい補助バッテリーや充電器を持ち運んでいませんか?また外出中に電池が減った時、コンセントがあるお店を探して歩き回り疲れた経験があるかもしれません。
 でも近い将来、店内に設置された無線電力給電システムがあれば大丈夫。あなたのスマホを自動的に充電してくれます。実はこのようなシステム、すでに社会で使われ始めています。例えば、ユニクロの無人レジでは、服をまとめて買い物かごに入れたまま会計できます。集積回路とアンテナが埋め込まれたRFIDタグを読み取り機が瞬時に認識し、会計も一瞬で完了します。これは無線で電力を送りつつ、タグから商品情報が無線通信によってレジマシーンに送られているのです。

●無線電力給電ってどんな技術?

送受電実験の様子
 「無線電力給電」と聞くと、難しく聞こえるかもしれません。簡単に言えば、電気コードをつながなくても、電波や磁場を使って、離れた場所にある機器に電気を届ける魔法のような技術です。その仕組みは3つの要素で成り立っています。
 
 1.電気を送る側(送電部)
 2.電気を受け取る側(受電部)
 3.その間を電波や磁場でつなぐ
 
 この技術が注目される理由は、めんどうな充電コード接続からの解放です。スマホ、スマートウォッチ、ノートPCなどがコードなしで充電でき、机の上はスッキリ整理されます。絡まる配線や多種多様なコネクタのタイプに悩まされることもありません。
 
無線電力給電は日常生活だけでなく、IoTデバイスの新しい可能性も秘めています。
  例えば
  ・山の中の気象センサー
  ・工場の機械
  ・海底の観測機器
といったこれまで配線に苦労したり、そもそも配線できなかった場所にも電力供給が可能になるため、社会的課題の解決にも結びつきます。さらに、バッテリーや電池の廃棄が減ることで、地球環境にもやさしい技術。持続可能な社会への貢献も期待されています。

●私たちの研究

試作した受電用のアンテナと集積回路チップ
 研究室では、この夢のような技術を現実にするために残された課題を解決する研究を日々進めています。
 一つ目の挑戦は、電力をロスなく伝えることです。電波で電気を送っても、途中で失われてしまう電力を最小限に抑える高効率化技術が求められています。電波の強度や消費電力などが変化する状況において、それに適応できるスマートな集積回路の実現を目指しています。
 二つ目は、小さなデバイス開発への挑戦です。スマートウォッチやスマートリングのような小さな機器にも、効率よく電力を届けられる超小型の受電回路を作ること、アンテナも小型化することを目指しています。
 信号も電力も無線で送受する、コードのない、スマートで自由な未来。私たちは、一歩ずつその実現に近づいています。
 
 
※電気電子システム工学科での学びや研究の日常を紹介しているInstagramはこちら