「地域・建築環境設備研究室」の取り組み

私は2024年4月1日に大阪工業大学に着任した特任講師、盧韻琴(ルー インチン)です。これまで、日本で建築設備設計に携わり、中国ではグリーン建築評価の業務に従事してきました。こうした実務経験を活かし、現在は建築系の「環境工学」を専門とし、エネルギーの効率的利用に関する研究を行っています(図1)。
研究への取り組み
研究室では、建築物の実際運用中のエネルギー消費データを活用し、設備の最適導入計画や省エネ運用の方法を探ることをテーマとしています。省エネルギーだけでなく、創エネルギーや蓄エネルギー設備の活用にも注目し、建物の運用を踏まえた最適なシステムのあり方を提案することを目指しています。
現在は、本研究室では創エネルギー・蓄エネルギー設備を導入した住宅のモニタリングを実施し、設備導入と運用の最適化に関する研究を進めています。例えば、太陽光発電の導入量は「多ければ多いほど良い」という単純なものではなく、異なる消費パターンに応じた適切な導入量と運用パターンを検討することが重要です。また、再生可能エネルギーの自家消費率を最大化するためには、電力の需要と供給のバランスを見極め、適量な設備を適切に活用することが不可欠です。こうした分析を通じ、より効果的な設備導入モデルとエネルギー運用手法を開発に取り組んでいます。
「環境教育」への取り組み
研究室では、環境教育の一環として、本学の低炭素都市型タワーキャンパスである梅田キャンパスを取り上げ、その快適環境を支えている省エネ技術に焦点を当て、高校生向けのエコキャンパスツアーを開催しました。このツアーでは、普段は見ることのできない建築物のバックヤードに入り、実際の建物で採用されている高効率設備や設計の工夫を紹介し、学生に持続可能な建築のあり方を考えてもらう機会を提供しています(図2、図3)。
持続可能な社会に向けて
本研究室では、実測データを基にした実践的な研究を重視し、エネルギーの効率的な利用と持続可能な社会の実現に貢献することを目標としています。
環境・建築設備に関心がある方は、ぜひ研究室を訪ねてください!