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ニュース 【学生相談室コラム】学生相談室だより(おおよど285号2023年4月掲載)

トピックス 学生相談
「自立とは依存先を増やすこと」

 新入生の皆さん、ご入学おめでとうございます。新しい生活、環境に慣れてきましたか?きっと期待と不安の両方をもって大学に来られたことと思います。
 昨年4月から成人年齢が引き下げられて、18歳になりました。大人になったのだから、大学生になったんだから、自立しなきゃと思ったり、自立しなさいと言われたりすることがあるのではないでしょうか。
 皆さんは自立するって、どんなイメージがありますか?“他人に頼らず自分でやる”“自分ひとりの力でやる”そんなイメージが浮かんでくる人が多いと思います。そう考えるとなんだかすごく大変なことのような気がしてきます…。
 タイトルの『自立とは依存先を増やすこと』という言葉は、脳性まひのある小児科医の熊谷晋一郎さんの言葉です。熊谷さんは障害の有無にかかわらず、すべての人に通じることだと話しています。矛盾して聞こえる言葉ですが、この言葉を聞いた時、私は目からうろこが落ちたと同時に、なんだかホッとして肩の力が抜けた気がしました。
 実は、大学生活でも頼ることはとても大切なことです。講義や課題の情報を友達と共有する。授業でわからなかったことを先生や友達に聞く。悩みや困りごとがある時に身近な人に相談する。利用できる制度やサービスを利用する。コロナ禍やオンライン授業では、これらのことがしづらくなって困った方も多かったのではないかと思います。
 依存先=「頼りにできる人、もの」が多ければ、その分安心できますし、生活も気持ちも安定します。その安心や安定が自立するための力になるのだと思います。困った時、自分だけでは難しい時、周りの人やものに頼ってみてください。きっと少し勇気がいる人もいると思いますが、人やものを頼りにできることも、大切な自立の一歩なのです。皆さんも、大学生活の中で自分の依存先をたくさん見つけてみてくださいね。

学生相談室カウンセラー 兵頭 俊宏