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ニュース 【学生相談室コラム】学生相談室だより(おおよど288号2024年1月掲載)

トピックス 学生相談
『The strength of weak ties』

 皆さん、あけましておめでとうございます。2024年がスタートしましたね。
今年の干支は辰です。空高く駆け上る辰(龍)のように、皆さんが目標や挑戦したいことへ勢いよく向かっていき、大きな成果をあげられる年となるよう願っています。
 さて、何か新しいことに出会いたいと思った時、皆さんならどんな行動をするでしょうか。社会学の研究の一つにThe strength of weak ties という概念があります。直訳すると「弱いつながりの強み」です。それだけでは何のことかわかりにくいですね。たとえば、家族や友人など自分と強いつながりがある人たちは、自分と同じような生活環境にいて、似たような価値観を持っていることが多いために、そこから得られる情報は既にもっているものとあまり変わり映えしません。一方、自分とつながりが弱い相手は、異なる環境に暮らし、違った生活スタイルや価値観をもって生きている場合が多いため、これまで自分が触れたことのない、新しい有益な情報をもたらす可能性が高いというわけです。この考え方は1970年代にアメリカのマーク・グラノヴェッターという人によって提唱されました。自分にとって弱いつながりの人を探すこと、そして彼らと積極的に交流していくことが、新たな学びや希望する仕事を得る機会をもたらしてくれるかもしれないのだといいます。
 皆さんは、普段、ご自身と似たところが多い人と一緒にいるのではないでしょうか。興味・関心が共通している者同士は、自然と話が盛り上がりますし、お互い一緒にいて居心地がよく、安心感があるでしょう。けれど、時にはそういう仲間とは別の、つながりのやや弱い(知り合いの知り合いのような)人とやりとりして世界を広げてみるのもいいのかもしれません。

学生相談室カウンセラー 藤本 千春

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『冬来りなば春遠からじ』

 私が初めてこの言葉を聞いたのは、高校受験を控えた冬でした。中学校の先生が黒板にこの言葉を書いて話をしてくれたのですが、「ここまで来たのだから、いずれ試験も終わって解放されるんだな」と率直に希望を感じることができました。以来、毎年冬になるとこの言葉を思い出します。
 この言葉の原典は、イギリスの詩人シェリーが書いた『西風の賦』の最後の一節、“If Winter comes, can Spring be far behind?”とのこと。この詩が書かれた19世紀当時、今よりも辛い環境に耐えて冬を過ごす必要があったことでしょう。人生の苦難に堪える心境を、寒さ厳しい冬に例え、冬が来たのであればやがて季節は巡って春がやってくると希望を持つことで、目の前の苦難に耐える強さが湧き上がってくる、そんな情景が浮かび上がってきます。
 若い人は特に、人生の経験年数が少ない分、受験や卒業研究、就職活動など大きな課題を抱えていると、今の苦しさがいつまでも続くかのような錯覚に陥りやすいですが、いつかは区切りがやってきます。苦しさで息が詰まってきたら、深呼吸して、春のふんわりと明るく暖かいイメージを思い浮かべて、心を緩ませてみてください。温かい飲み物を飲んだりストレッチしたりして、体を緩めてリラックスするのもいいですね。あともう一息、そのための活力が湧きますように。

学生相談室カウンセラー 友尻 奈緒美