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ニュース 生成AI(ChatGPTなど)の利活用に関する方針

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2024年2月8日更新

学生の皆さんへ
生成AI(Chat GPTなど)の利活用に関する方針


大阪工業大学
学長 井上 晋


 社会のさまざまな場面で「Chat GPT」に代表される生成AIの利活用が進んでおり、AIと共生する社会に向けて考えを深めていく必要があります。生成AIの能力と利便性はきわめて高く、大きな社会変革をもたらす可能性を秘めています。
ただし、人間の言語活動や創作活動の一部を代替しうる生成AIを使用するにあたり、まず、さまざまな問題があることを認識しなければなりません。生成AIは、皆さんの学修活動や発想のヒントとしてとても役立つ可能性がある反面、入力する質問やデータの内容、出力される生成物の利用方法によっては、法令違反や他者の権利を侵害する危険性があります。それらを踏まえて、十分な理解と認識のもとで適切に利活用することを要請します。
大阪工業大学は、2023年7月11日に「生成AI(Chat GPTなど)の利活用に関する方針」を公表しました。現時点では、本方針に大きな変更はありませんが、それ以降の社会的動向の変化や技術的進展に応じて追記した内容を含めて、改めてお知らせします。

【対象とする生成AI】
本方針が対象とする生成AIは、大規模言語モデルを用いた生成AI(Chat GPT、Gemini、Bing など)です。また、これらの生成AIによって機能拡張されたソフトウェアもこれに準じた取扱いとします。

【大阪工業大学の基本方針】
1.生成AIを健全に利活用する姿勢を磨く
本学は、生成AIを含む多様な人工知能を研究する学部・学科を擁します。また、生成AIが学習リソースとするインターネット上の著作物に関わる権利について学ぶ分野も備えています。そのため、AIとの共生社会を探求するにあたり、本学はとても優位な学修環境であることをまずは認識してください。そのうえで、その環境を土台として、生成AIを必要に応じて適切に利活用する姿勢を磨いてください。

2.生成AIの長所・短所を理解して自己責任で利活用する
生成AIの可能性と危険性に対する理解を継続的に深め、求められる社会的良識と倫理観を常に高めながら、利活用すべき適切な学修場面を自らの責任で判断してください。(ただし、授業や研究活動に関しては、下記3.の方針を厳守すること。)

3.授業担当者および指導教員の指示に従う
授業や研究活動によっては、成果物(レポートやプログラム・作品など)を著作する際に生成AIの使用を推奨・許容する場合もある一方、禁止する場合もあります。授業担当者や指導教員の指示に必ず従ってください。指示に従わないことによって提出が無効になり、成績評価などで不利益を被る場合もあります。

【学修活動における留意事項】
1.学修“支援”ツールという位置づけ
現時点で生成AIが担えるのは、皆さんの学修や創造的発想にヒントを与える程度の役割です。つまり、あくまで“支援”ツールの一つに過ぎません。生成AIに全面的に頼ることは、経験に基づく創造力、問題解決能力、批判的思考力(物事を多面的に考える力)など、皆さんが持つさまざまな能力の健全な発達を損なうリスクがあることに十分留意してください。

2.入力した情報が外部に流出するリスク
皆さんが質問として生成AIに入力した情報は、そのAIのモデル学習に利用されます。入力された情報は、やがて外部に流出したり、第三者によって不適切に使用される危険があります。そのため、虚偽情報を含めて、個人が特定されうる情報や機密情報を入力してはいけません。また、発明などに関わる未発表の情報についても同様です。
なお、入力の内容を生成AIの学習に使用させない「オプトアウト機能」も情報漏洩対策に一定の効果が認められるので、適切に活用してください。

3.生成物に虚偽情報が含まるリスク
生成AIの学習リソースはインターネット上に存在する情報に限定されており、おのずと限界があります。そのリソースを基に出力された生成物の内容が信頼に値するものかどうか、あるいは虚偽かどうかを点検し、自ら著作する成果物にどのように利用するかについて判断することは、すべて皆さん自身の責任において行う必要があります。

4.著作権を侵害するリスク
生成AIの学習リソースには、著作権を有する文章やプログラム・作品なども含まれています。その著作内容が生成AIの生成物にそのまま出力されている場合もあります。そのため、皆さんがその生成物をレポート作成などにそのまま使用することは、著作権の侵害となる恐れがあります。また、一般的に、出力される生成物の内容や個々の表現には情報源が明示されません。そのため、皆さんがその生成物を使用する際には、著作権侵害の有無や明示すべき情報源について、独自に調査を行う必要があります。結果的に調査が行き届かなかった場合、皆さんが法的責任を負う可能性も否定できません。
なお、授業においては、著作権法第35条により許諾なく著作物を複製等ができるため、授業の範囲内での利用は可能ですが、WWWサイト、SNSに掲載することなどは、著作権者の許諾が必要となるため留意が必要です。

【研究活動における留意事項】
1.情報の活用についてのリスク
生成AIから得られた文章や画像等を使用する場合、適切に引用元を明示することができる場合のみに限定し、文章全体のオリジナリティーが懸念されないよう留意しなければなりません。虚偽情報でないこと、著作権等の問題がないことを確認できないものは使用を禁じます。また、生成AIから得られた情報には、偽情報や様々なバイアスがあり得ることを認識しなければなりません。必ず一次資料を確認・参照し、慎重な取り扱いをお願いします。

2.情報の漏洩についてのリスク
生成AIの入力プロンプトに、研究活動で知り得た機密情報や研究計画、研究成果などの未発表の情報を質問・指示することを禁止します。情報が漏洩する危険性が高いと考えられます。
なお、入力の内容を生成AIの学習に使用させない「オプトアウト機能」も情報漏洩対策に一定の効果が認められるので、適切に活用してください。


3.盗用や剽窃の禁止
研究活動には、倫理的な行動の遵守が求められることから、例え部分的であっても盗用や剽窃を絶対に行っていけません。なお、生成AIを用いた研究論文は、生成AIの剽窃チェックツール等で発見されることとなり、皆さんが法的責任を求められる可能性が十分にあります。

上述の留意事項は、発信日現在の状況に対応するためのものです。今後、変更が必要となった場合、改めて通知します。


以 上