12月10日、本学の協定校であるスペイン・サラマンカ大学学長Juan M. Corchado(コルチャド)氏が来学され「EUにおけるAIの活用とスタートアップ育成について」を講演。約50人の学生・教職員が聴講しました。
コルチャド氏は自身がディレクターを務めるIoT DIGITAL INNOVATION HUBとBISITE(バイオインフォマティクス、インテリジェントシステム、教育テクノロジーの研究グループ)の活動を紹介し、カタール、ドバイ、マレーシア、インドなどの企業や行政・警察、大学等、さまざまパートナーと共にコラボレーションしながら共同で研究活動を行っていると説明しました。また、最近話題の生成AIについては、「畳み込みニューラルネットワーク」と呼ばれる生物の学習メカニズムを模倣した機械学習手法と大規模データベースを活用したシステムであることを解説。従来のディープラーニング(深層学習)の課題であったデータ内に何があるか分からない問題を生成AIで解決し、画像内にあるさまざまな特徴を簡易で短時間に分析できるようになったことを紹介しました。具体的な手法として、明示的なラベルデータを必要とせず、画像、テキスト、音声などの複数のモダリティ(異なる種類の情報をまとめて扱うAI)を含むデータ表現を学習するMultimodal Self-Supervised Learningや、画像、テキスト、音声などの複数のモダリティを含むデータ表現を学習するInference for latent variable Energy-Based Model for multimodalなどさまざまな機械学習、生成AIを紹介しました。
同氏は、1760年代に始まった第1次産業革命から現代の第5次産業革命(Industry 5.0)までの流れを解説し、AI半導体により今後ますます変化が加速していくと説明する中で、サウジアラビア、カタールと共同で取り組んでいるNEOMプロジェクトを紹介。サウジアラビアの紅海沿岸の砂漠地帯に建設を目指す未来都市「NEOM」は全長170kmに達する直線型の高層都市で“石油が出ない中東の未来”をスマートシティ技術で解決を目指すものです。
これら技術開発・発展の歴史に触れながら、同氏は「AIの恐怖」としてAIを正しく使うための倫理を構築し、みんなで守っていくことが大切であると説明しました。また、さまざまAIが今後社会実装されていく中で、すべての作業をAI任せにするのではなく、必ず人間による管理・監督が必要であると話しました。
最後に、聴講した学生に向けて「急激な速度で技術が進歩しています。新しい技術に関する能力を早く身につけて、たくさんのコミュニケーションをとることが大切です」とメッセージを送りしました。
講演後、学生からは多くの質問が寄せられ、同氏は一つずつ丁寧に回答しました。
※サラマンカ大学
スペインマドリードの西北西に位置する都市サラマンカにある大学で、1218年にレオン王アルフォンソ9世により設立された現存するスペイン最古の大学です。2018年に創立800周年を迎えました。本学とは2013年5月に学術交流・学術提携に関する協定を締結。学術交流の他、交換留学など活発な交流活動があります。
コルチャド氏は自身がディレクターを務めるIoT DIGITAL INNOVATION HUBとBISITE(バイオインフォマティクス、インテリジェントシステム、教育テクノロジーの研究グループ)の活動を紹介し、カタール、ドバイ、マレーシア、インドなどの企業や行政・警察、大学等、さまざまパートナーと共にコラボレーションしながら共同で研究活動を行っていると説明しました。また、最近話題の生成AIについては、「畳み込みニューラルネットワーク」と呼ばれる生物の学習メカニズムを模倣した機械学習手法と大規模データベースを活用したシステムであることを解説。従来のディープラーニング(深層学習)の課題であったデータ内に何があるか分からない問題を生成AIで解決し、画像内にあるさまざまな特徴を簡易で短時間に分析できるようになったことを紹介しました。具体的な手法として、明示的なラベルデータを必要とせず、画像、テキスト、音声などの複数のモダリティ(異なる種類の情報をまとめて扱うAI)を含むデータ表現を学習するMultimodal Self-Supervised Learningや、画像、テキスト、音声などの複数のモダリティを含むデータ表現を学習するInference for latent variable Energy-Based Model for multimodalなどさまざまな機械学習、生成AIを紹介しました。
同氏は、1760年代に始まった第1次産業革命から現代の第5次産業革命(Industry 5.0)までの流れを解説し、AI半導体により今後ますます変化が加速していくと説明する中で、サウジアラビア、カタールと共同で取り組んでいるNEOMプロジェクトを紹介。サウジアラビアの紅海沿岸の砂漠地帯に建設を目指す未来都市「NEOM」は全長170kmに達する直線型の高層都市で“石油が出ない中東の未来”をスマートシティ技術で解決を目指すものです。
これら技術開発・発展の歴史に触れながら、同氏は「AIの恐怖」としてAIを正しく使うための倫理を構築し、みんなで守っていくことが大切であると説明しました。また、さまざまAIが今後社会実装されていく中で、すべての作業をAI任せにするのではなく、必ず人間による管理・監督が必要であると話しました。
最後に、聴講した学生に向けて「急激な速度で技術が進歩しています。新しい技術に関する能力を早く身につけて、たくさんのコミュニケーションをとることが大切です」とメッセージを送りしました。
講演後、学生からは多くの質問が寄せられ、同氏は一つずつ丁寧に回答しました。
※サラマンカ大学
スペインマドリードの西北西に位置する都市サラマンカにある大学で、1218年にレオン王アルフォンソ9世により設立された現存するスペイン最古の大学です。2018年に創立800周年を迎えました。本学とは2013年5月に学術交流・学術提携に関する協定を締結。学術交流の他、交換留学など活発な交流活動があります。
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コルチャド氏(左から3人目)を歓迎する井上晋学長(左から4人目)ら -
生成AIなどについて講演するコルチャド氏 -
約50人の学生・教職員が聴講