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ニュース ロボカップジャパンオープン2023に3チームが出場しました

トピックス
 5月3日~7日、滋賀ダイハツアリーナで開催された「ロボカップジャパンオープン2023」に本学から3チームが出場しました。情報科学部のチーム「Try@ngulars」は@ホームリーグ:シミュレーションに出場し、3位入賞・テクニカルチャレンジ優勝、敢闘賞を受賞。立命館大とロボティクス&デザイン工学部の合同チーム「OIT-RITS」は@ホームリーグに出場し、テクニカルチャレンジで2位に入賞。京都大との合同チーム「SHINOBI」はレスキュー実機リーグで優勝し、「計測自動制御学会賞」「Best-in-Class Mobility」を受賞しました。本大会は人工知能を利用したロボット及びそのシミュレーションによる競技大会で、ロボット工学や人工知能分野研究・技術の促進を目的としています。
 
Try@ngulars
 実機を伴わない仮想空間上で動作するロボットで競技を行う@ホームリーグ:シミュレーションでは、特定の物体を指定した場所に運ぶ「ハンディマン」、部屋の片づけを行う「クリーンナップ」、人間を模したAIを指定した場所に誘導する「ヒューマンナビゲーション」の3競技とそれぞれの競技で使用する技術を実際の運用下ではどのように活用するかをプレゼンテーションする「テクニカルチャレンジ」で構成されています。ロボットへの指示は通常、プログラミング言語を用いますが、「Try@ngulars」は人間が使う言語(自然言語)を用いる音声入力システムを構築。ロボットが理解しやすいように言葉選びや文法を意識する必要はありますが、改良した画像認識システムとの組み合わせにより、高い精度でユーザーの命令を処理することができます。同チームは、さまざまなユーザーが体験できるように、この音声入力システムをパッケージ化した点が評価され、テクニカルチャレンジで優勝しました。リーダーのシユレスタアロクさん(情報科学専攻博士前期課程1年)は「本大会で自分たちの課題が明確になったので、来年は今年得た自信を元に別競技でも優勝を目指したいです」と次回大会への意気込みを語りました。
 
【OIT-RITS】
 トヨタ自動車製のヒューマンサポートロボットHSRにチームオリジナルのプログラムを搭載して競技を行う@ホームリーグ(ルールはDomestic Standard Platform League (DSPL))に出場した「OIT-RITS」は、研究成果をHSRの実機を用いてデモストレーションし、研究内容の将来性や研究領域への貢献度で評価されるプレゼンテーション形式の競技・テクニカルチャレンジで2位に輝きました。同チームは各空間(居室等)ごとにオブジェクトが存在する確率分布を生成する「場所概念モデル」を導入。このモデルを用いることで「コップをキッチンに持っていって」というロボットにとって曖昧な指示からタスク遂行に必要な情報を作り出すことができます。更に、ChatGPTも導入し、場所概念モデルで得られた情報を元にHSRの動作計画計画を自動で生成。HSRが向かう場所や動作内容をChatGPTが示します。ChatGPTのおかげでプログラミング言語で入力指示していたものを自然言語で行えるようになり、高い精度でタスクを実行することができました。チームの中心となった藤田昂丈さん(ロボティクス&デザイン工学専攻博士前期課程1年)は、「2位になれてよかったが、前年度から使いまわしている技術や手法が多く、全体的にブラッシュアップしていくことが課題だと思っています」と振り返りました。
 
SHINOBI
 京都大との合同チーム「SHINOBI」が出場したレスキュー実機リーグはレスキューロボット開発の発展を目的としており、災害時の救助活動や瓦礫撤去活動などを想定した競技が行われました。狭い通路や斜めに配置されたパイプの間、不整地の移動、段差の乗り越え、ロボットに備え付けられたアームによる作業性能などを評価する競技が用意されており、同チームは2年前に製作したロボットの自律機能の強化と操作性の向上を実現し、全競技に挑戦。ショベルカーなどに採用されているクローラー(無限軌道)、3台の180°の超広角カメラ、ロボットアームを備えたロボットはシンプルな作りによる高いメンテナンス性を誇り、不整地などでの高い走破性を兼ね備えている点が特長です。故障に対して迅速に対応したメカニックや高い技量のオペレーターのなどチーム一丸となって、リーグ優勝を果たしました。リーダーの道川稜平さん(電子情報システム工学科研究補助員)は「準備したことをしっかり発揮することができ、結果に結びつきました。今のメンバーで世界大会に出場し、結果を残したいです」と次の目標を見据えていました。