自然豊かな村の「今」と「歴史」をネット配信(2015年度～)
情報科学部では、世界遺産「吉野・大峯」の麓に位置するあきつの小野公園にライブカメラを設置して、有名な吉野桜の開花状況をネット上で観察できる桜ライブキャストを2015年から始めました。訪日ツーリストへの情報発信も念頭に、日英二か国語に対応しています。
桜ライブキャストは100人の同時鑑賞に耐えるライブ動画配信サイトで、年間を通じて公園の四季を感じていただけます。ページ内のボタンでカメラを自在にコントロールでき、高倍率ズームで公園の全景からつぼみの膨らみ具合、駐車場の混雑状況まで確認できます。情報科学部で学ぶIoTや大規模ネット配信の技術を実践する場として継続的に改良を続けて、毎年1万回を超える動画配信実績を記録しています。地域の「今」をライブ動画で紹介するだけでなく、文字を紡いで地域の「歴史」を紹介するそらみつ文庫（後述）も掲載しています。
「井氷鹿の里」にライブカメラと気象センサー設置（2019年度〜）
井氷鹿（いひか）の里は渓流釣やBBQが楽しめる村営施設で、険しい林道の先にあります。厳冬期には、ここから雪が積もる山道を1時間ほど登る御船の滝を目指す観光客の基地として賑わいます。御船の滝は標高が高く厳冬期に大規模な氷瀑が見られ、毎年テレビクルーが生中継するほどの観光スポットです。
御船の滝をライブ配信したくプロジェクトを始めましたが、現場はクマも出没する人里離れた山奥で商用電源なし・携帯は圏外・谷底で太陽光発電も無理な難所です。そこで情報科学部では、まずは井氷鹿の里の様子をライブカメラで提供、積雪や気象の状況をお知らせする桜ライブキャストAnnexを開設しました。屋外の気象条件だけでなく電源やネット環境も厳しい井氷鹿の里から安定したデータ配信を実現するため、様々な工夫を凝らしてあります。
カフェレストラン「匠の聚」の眺望をライブ配信（2018年度〜）
川上村の「今」をライブ配信する第二弾として、2018年度からカフェレストラン匠の聚（たくみのむら）にもライブカメラを設置して公開しています。匠の聚は芸術家の方々が住居を構えて制作に取り組むエリアで、ギャラリー併設のカフェからの眺望が素晴らしく、また敷地内に芝桜が一面に植えられて観光客が絶えません。
設置したカメラはボタン操作で遠景や芝桜のクローズアップを鑑賞できる可動式カメラのほか、カフェからの眺望をタイムラプス動画でお楽しみいただけるように開発しました。私たちは特別な工夫を凝らして瞬時にタイムラプス動画を生成する技術を開発、夜明けから閲覧の瞬間までのタイムラプス動画をいつでも鑑賞でき、夜明けの荘厳な風景や雄大な雲の流れをお楽しみいただけます。
地域の魅力を文字で伝える「そらみつ文庫」（2017年度～）
そらみつ文庫は、古典文学作品に描かれた吉野・川上地域の情景や村の伝承を写真と共に紹介して、長い歴史が記録に残るこの地域の魅力を発信しています。そらみつとは「空からみた」という意味の枕詞で、そらみつ文庫は吉野・川上を舞台とした文学古典作品を俯瞰しながら吉野・川上の風景を言葉を紡いで映し出します。2017年度の連載開始以来、すでに25話の記事を公開しました。海外からも多くの閲覧者が毎日訪れますが、英語版では難解な古文の解説を少しでも楽しんでいただけるよう、ナレーション付きのWebページに仕立てています。
桜ライブキャストがライブ動画を通じて川上村の「今」の一端を紹介する一方、そらみつ文庫は文字を通して村の「歴史」の重みを伝えようと企画しています。今後、さらに魅力ある地域アーカイブを目指してコンテンツの充実を図ります。
-
PC画面イメージ（日本語） -
スマートフォン画面イメージ（英語）