大阪工業大学

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研究室VOICE 社会を支える半導体

工学部

Profile

工学部電気電子システム工学科

小山 政俊准教授

次世代デバイス・プロセス研究室

半導体結晶成長装置と筆者
  みなさんこんにちは。工学部の電気電子システム工学科の小山です。私の所属するこの学科では、電気や電子にまつわる幅広い分野について、教育・研究が行われています。その中でも私は、「半導体工学」と呼ばれる分野が専門です。
「半導体」、といいますと、皆さんどのようなイメージをお持ちでしょうか?テレビのニュースでも半導体産業についての頻繁に報道されていますので、名前は聞いたことがあるのではないでしょうか。手元にある高校物理の教科書を開いてみると、「電気と磁気」の章に4ページだけ記載がありますが、ほんの導入部分をごく一部だけ書かれており、実際のところはどんなものかよく分からないというのが正直な印象ではないでしょうか。
 この半導体、実はありとあらゆる電化製品や電子機器の中で非常に重要な働きをしています。みなさんの大切なスマートフォンの中で膨大なデータを処理するのも、写真や動画を保存するのも、通話やデータを送信するための通信電波を出すのも、ディスプレイが明るく光っているのも、、、薄いボディに詰め込まれた半導体のチップが重要仕事をして成り立っています。
半導体評価装置
  チップの中で動作している半導体でできた部品の中でも、トランジスタと呼ばれる部品は、20世紀後半を 「エレクトロニクスの時代」と言わしめたエレクトロニクスの急速な発展を支えたキーデバイスであり、それらをその時代時代の微細加工極限まで微細に作り込むことで、今日ではコイン大のチップの中に想像を絶する途方もない数(前後賞合わせた年末ジャンボの金額より多い)のトランジスタが搭載されて現代社会を支えるに至っています。その微細加工技術は、今日では原子数十個分の長さを量産レベルでコントロールするに至っており、物理学、電気電子工学、化学の最先端技術の粋と言って過言はないでしょう。
 この例以外にも、道路の信号機や街を彩るイルミネーションに使われている明るい小さな電球(発光ダイオードといいます)や、電気製品の電源を制御したり供給したりする回路、IoT社会を支える無線通信・無線給電・センシング技術において、半導体は現代社会を支える根幹として今後さらなる高性能化や省エネルギー化、多機能化が求められており、そのための研究・開発は重要性がより一層増していくでしょう。
 スマートフォンや最先端の高機能電子機器がこんなに溢れかえっている昨今、いまできている物に関しては技術的には殆どのことはわかっているのではないかと思われる学生さんもいるかもしれませが、実際にそれらの機器の動作原理や製造プロセスにおいては、原理原則が実際はよくわかっていないことがまだ沢山あるのが現実です。私の研究室では、新しい材料・プロセスの観点から半導体工学に取り組み、よりよい社会を実現する次世代デバイスやそのプロセスの研究を行ったり、既存技術で十分に明らかになっていない現象について研究を行っています。