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研究室VOICE コンピュータを人間らしくする ヒューマンインタフェース研究室

情報科学部

Profile

情報科学部情報メディア学科

神田 智子教授

ヒューマンインタフェース研究室

人間らしいキャラクタとは
「ヒューマンインタフェース」と聞くと、どんな研究を思い浮かべますか?
 
インタフェース=つなぐもの、であり、ヒューマン=人間ですから、人間と機械をつなぐ部分の使い勝手を向上させることがヒューマンインタフェース研究の目的なのです。
 
人間に最も近い情報技術
「情報ネットワークの設計(通信方式研究室)」の図をもう一度見てみましょう。「縁の下の力持ちのネットワーク」の上に「情報処理システムの開発基盤であるプラットフォーム」があり、その上に「アプリケーションやコンテンツ」が位置づけられています。ヒューマンインタフェースは、アプリケーションやコンテンツが人間と接する部分、すなわち、情報科学のピラミッドのもっとも人間に近い部分に当たります。近年、情報ネットワークや情報システムの処理技術が飛躍的に向上し、これらの技術を活かしたシステムやアプリケーションが実現できるようになりました。しかし使い勝手が悪ければ、高度な処理技術を十分活かすことができません。ここ数年でタブレット型のPCやスマートフォンが普及したおかげで、直接画面に触れる直感的な操作ができるようになったり、音声で操作したりできるようになったりし、コンピュータの使い勝手は飛躍的に向上してきました。
インタフェースは情報科学の一番人間側
コンピュータを人間らしくする
スマートフォンを音声で操作するアプリケーションは、人間同士の対話と同じような対話を、コンピュータと人間の間で実現しようという試みです。使いやすいヒューマンインタフェースを開発するためには、まず、「コンピュータを人間らしくする」ことが一つのカギとなりそうですね。
ヒューマンインタフェース研究室では,擬人化エージェント(コンピュータインタフェース上のキャラクタ)やロボットが、そのユーザである人間とどのように上手くつき合っていくのか、またそのためには、人間とエージェントやロボットとの間にどのようなやりとり(インタラクション)を設計すればよいのかという研究を行っています。
 
ヒューマンインタフェース研究を通して、コミュニケーション能力をつける
エージェントやロボットに「人間らしさ」を与えるためには、私たち人間がコミュニケーションをとる上で無意識的に行っている感情表現やノンバーバル行動(表情、しぐさ、姿勢,立ち位置など)まず理解する必要があります。その上で、人間を人間らしく見せるノンバーバル行動を、コンピュータモデルとして表現し、エージェントやロボットの振る舞いとして実装します。従って、ヒューマンインタフェース研究は、情報科学の一つですが、「人間のコミュニケーションの理解」なくしては成り立ちません。情報科学の研究を通して、人間行動を理解しコミュニケーション能力を身に着けることができるのです。
具体的な研究例を通した人間のコミュニケーション理解の事例は、回を改めて紹介します。